終戦記念日

イメージ_旭日旗と空

「終戦記念日」は1945年8月14日に政府はポツダム宣言を受諾し、翌15日の正午、昭和天皇による玉音放送によって日本が無条件降伏したことが国民に伝えられ、これにより第二次世界大戦が終結したことから、1982年4月の閣議決定により「戦歿者を追悼し平和を祈念する日」として制定されました。

1963年から毎年、政府主催による「全国戦没者追悼式」が行われ、正午から1分間、黙祷が捧げられます。

内務省の発表によれば、第二次世界大戦の戦死者は約212万人、空襲による死者は約24万人だったそうです。

終戦記念日は祝日ではない

“終戦記念日”とはあくまで俗称で正確な名称は“戦没者を追悼し平和を祈念する日”です。

8月13日〜16日のお盆休みと重なることや、小中高生にとっては夏休み真っ盛りなのであまり気に留められることはないのですが祝日ではありません。

ここでいう“終戦”というのは第二次世界大戦の終結を意味しているのですが、8月15日を終戦記念日としているのは日本だけであり、アメリカ、ロシア(旧ソ連)、中国などはいずれも9月を“対日勝利日”としています。

第二次世界大戦開戦当初は日本の好調が続いたものの、1942年のミッドウェー海戦での敗北を皮切りに1944年7月のサイパン陥落、1945年6月沖縄戦の敗北と日本の劣勢が続きます。

7月26日にポツダム宣言を発表し、降伏の条件を提示されましたが日本はこれを拒否するのです。

8月6日に広島、8月9日に長崎への原爆投下が行われ、結局8月14日にポツダム宣言を受諾します。

そして来たる8月15日に昭和天皇が正午にラジオにてポツダム宣言を受諾し降伏することを宣言、つまり日本の象徴である天皇陛下が肉声で国家国民に終戦を宣言したその日が8月15日ということだったのです。

よくこのポツダム宣言の話では“日本がポツダム宣言を受け入れなかったから戦争を早期に終結させるためにやむを得ず原爆を落とした”と、あたかも原爆投下をしたアメリカが正義であるかのように言われます。

しかし、実はアメリカが日本に原爆を投下することを決定したのはポツダム宣言発表の7月26日より前の7月24日です。

つまり、原爆投下は予め決められていたもので、もっと言えばアメリカには“必ず原爆は落とす”という思惑が先にありました。

なぜならソ連に対してアメリカの強大さを知らしめて牽制するため“原爆の力を見せつける”必要があったのです。

それは20億もの税金を使って原爆の開発を進めていたことを、無駄と否定や追求をする議員や国民を納得させるという意味もありました。

要は原爆の試し撃ちをする必要があり、日本はうってつけの場所だったのです。

とはいえ、ポツダム宣言を受諾して日本が早期に降伏してしまっては原爆を落とす機会を失ってしまいます。

そこで、ポツダム宣言には降伏後に“天皇の地位の保持”をあえて明記しないこととしました。

国家国民の象徴たる天皇日本人の心の拠り所であり、そして当時は政府の最高責任者でもありました。

その天皇の地位が保証されないとあれば日本人には到底、降伏を受け入れがたいということをアメリカはよくわかっていたのです。

当初のポツダム宣言には天皇の地位の保持は明記されていたのですが、わざわざそれを削除していたことの説明はこれでつきます。

案の定、天皇の地位の保障がない降伏など日本は受け入れられるはずもなく、アメリカの思惑通りに事が進みます。

そして、実際に原爆が落とされてもなお、日本人は本土で戦う気でいましたが、天皇陛下の英断により降伏しました。

そのため、この8月15日は敗戦の日であり、めでたい日ではないのでいわゆる“祝日”とはならないという訳です。

平和という観点から見ると戦争を続けても何もプラスにならないので、戦争が終わったという意味ではめでたい、祝うべき日でもある気がしますが、国のために尽くして多数の戦死者が出たことを鑑みるとおおっぴらに祝う訳にいかないのだろうと思います。

年を経るにつれて当時の状況を語れる人も徐々に減ってきています。

今現在、平和な日本があるのは当時国のために戦った多くの犠牲の上で成り立っているということを改めて考え、理解し次の世代に伝えていくことが大事なのではないでしょうか。

 


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