ヱビスの日

イメージ_七福神

「ヱビスの日」は1890(明治23)年のこの日に初めてヱビスビールが発売されたことが由来で、同商品を製造・販売しているサッポロビール株式会社が制定しました。

自社ブランド製品であるヱビスビールをPRするという目的のようです。

高級嗜好のプレミアムビールに分類されるもので(※プレミアムビールの定義自体は明確には設定されてはいない)、サッポロビールの前身である日本麦酒醸造會社に、ドイツ人技師を招聘して醸造されたビールになります。

当初は「大黒天」から命名しようとされました、既に横浜において「大黒ビール」というものがが存在したために「えびす」(恵比寿) を採用したという経緯が見られる資料が2000年代に発見されました。

七福神は様々な宗教出身の神の集まり

“恵比寿”は福をもたらすとして日本で信仰されている七柱の神である“七福神”の一人です。

一般的には“恵比寿”、“大黒天”、“福禄寿”、“毘沙門天”、“布袋”、“寿老人”、“弁財天”とされており、それぞれがヒンズー教、仏教、道教、神道など様々な背景を持っています。

七福神は最初から7人だったわけではありません。

インドのヒンドゥー教の神である“大黒”を台所の神として祀ることは最澄が比叡山で始め、それが徐々に民間に広まったとされ、これが民間において日本の土着信仰の神である“恵比寿”とセットで信仰されるようになったのですが歴史的な経緯はよく判っていません。

平安時代以降になると、京都の鞍馬の毘沙門信仰から始まった“毘沙門天”をこの“恵比寿”、“大黒”に加え、三神として信仰され始めます。

この三神セットのパターンはかなり後まで一般的でしたが、平安末期〜鎌倉初期の頃、近江の竹生島の弁天信仰が盛んになると“毘沙門天”ではなく“恵比寿”、“大黒”、“弁財天”とするケースも増えていったそうです。

室町時代になると仏教の“布袋”、道教の“福禄寿”、“寿老人”なども中国から入ってきてそれぞれに知られるようになり、これまでの4人とまとめて七柱の神仏のセットができたのは室町時代末頃、近畿地方から始まったものになります。

当時は中国の文化に影響され、大陸的な水墨画が多く描かれた時代であり、中でももてはやされた画題は“竹林七賢図(竹林の七賢人)”というものでした。

この絵に見立てて、いつからか人々は別々に信仰されていた7つの福の神を集め七福神としたのですが、必ずしもメンバーが一定であったわけではないようです。

江戸時代になって現在の面々にほぼ固定されますが、寿老人と福禄寿はともに南極老人星の化身とされることから、この二者は本来同一のものとみなし、寿老人の代わりに吉祥天・お多福・福助が入れられることもあり、または達磨・ひょっとこ・楊貴妃・不動明王・愛染明王などが七福神の一人として加えらることもあったとされています。

上記の通り七福神は様々な宗教をそれぞれの原点に持つというかなり特殊な存在で、多神教である日本ならではともいえるかもしれません。

・恵比寿(えびす)…日本黎明期の神であるイザナミ・イザナギの間に生まれた子供である“蛭子(ひるこ)”、もしくは大国主神(おおくにぬしのかみ)の息子である“事代主(ことしろぬし)”などを祀ったもので、古くは“大漁追福”の漁業の神とされました。

時代と共に福の神として“商売繁盛”や“五穀豊穣”をもたらす神となり、実は唯一の日本由来の神になります。

・大黒天(だいこくてん)…インドのヒンドゥー教の破壊神であるシヴァ神の化身の一つであるマハーカーラ神です。

日本古来の大国主命の習合とされ、大黒柱と現されるように食物と財福を司る神となりました。

・毘沙門天(びしゃもんてん)…元はインドのヒンドゥー教の富と財宝の神であるクベーラ神です。

仏教に取り入れられてからは福徳増進の神として徐々に民衆に信仰されます。

・弁才天(弁財天)(べんざいてん)…七福神の中の紅一点で元はインドのヒンドゥー教の学問と芸術の女神であるサラスヴァティー神です。

仏教に取り入れられると、音楽・弁才・財福・知恵の徳のある天女となり七柱の一つとして選ばれました。

・福禄寿(ふくろくじゅ)…道教の宋の道士天南星、または道教の神で南極星の化身の南極老人のことです。

寿老人と同一神とされることもあり、その名の通り長寿と福禄をもたらすとされています。

・寿老人(じゅろうじん)…道教の神で南極星の化身の南極老人のことです。

日本の七福神の一人としては白鬚(しらひげ)明神とされることもあります。

・布袋(ほてい)…唐の末期の明州(現在の中国浙江省寧波市)に実在したといわれる仏教の禅僧で、弥勒菩薩の化身ともいわれています。

そのおおらかな風貌が人々に好まれ、手にした袋から財を出し与えてくれるようです。

このように今でこそ七福神として一つのまとまりとして知られていますが、その由来や元になった別の宗教での顔にはかなりバリエーションがあります。

元になった神様を調べると意外な一面が出てくるかもしれませんね。

 


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