大晦日
「大晦日」は1年の終りの日です。
かつては月末のことを晦日(みそか)・晦(つごもり)と言い、年末の最後の晦日なので大晦日・大晦といいます。
「みそか」は三十日の意、「つごもり」は月篭りが転じたもので、旧暦では毎月1日が新月であり、その前日を「つごもり」と呼んでいました。
大晦日にやってはいけないこと
日本における“大晦日”という慣習は、日本文化に古くからある“年神様(としがみさま)”への信仰に基づく儀礼から生じたものです。
年の初めから来られるため“正月様(しょうがつさま)”とも呼ばれ、年によって来られる方向が異なり、その方角がいわゆる“恵方”と呼ばれる方角になります。
年神様は神社のような宗教施設ではなく各家々に訪れると昔から信じられていたため、神様をお迎えし食事を共にしたりするために大晦日から“年籠り(としごもり)”をし、元旦も家で過ごすことが一般的でした。
その後、年神様が家に来られるという観念がほとんど無くなり、一般庶民が正月三が日などに神様に願いを伝えるためにこちらから神社へ参賀する“初詣”を行うようになりましたが、そのきっかけは、明治20年代に官公庁から始まった元旦に御真影を拝む“新年拝賀式”と、1891(明治24)年の“小学校祝日大祭日儀式規定”により元旦に小学校へ登校する“元旦節”などを経て、関西の鉄道会社が正月三が日に(恵方とは無関係な方角の)神社へ初詣を行うというレジャー的な要素を含んだ行事を沿線住民に宣伝しこれが全国にまで広まったことで、年籠りという習慣は次第に失われたとされています。
大晦日は年神様を迎える準備をする日なのですが、大晦日にやってはいけないこともあります。
大晦日の日に正月飾りを飾ることは“一夜飾り”といって新年の年神様に対して失礼にあたるのでやってはいけません。
12月30日までに飾るのが良いとされています。
また、大晦日に餅を撞いて飾るのも駄目です。
こちらも“一夜餅”といい、年神様への誠意の欠如や葬儀の飾り方を連想させるので避けるべきとされています。
大晦日には様々な風習がありますが“除夜の鐘”もその一つです。
“除夜”とは大晦日の夜のことで、かつては年神様を迎えるために一晩中起きているという習慣もあったようです。
除夜には各家庭で年越し蕎麦が食べられ、寺では“除夜の鐘”が撞かれます。
この“除夜の鐘”は108回撞かれ、一般には煩悩の数と言われていますが、厳密には“眼・耳・鼻・舌・身・意の六根のそれぞれに苦楽・不苦・不楽があって18類、この18類それぞれに浄・染があって36類、この36類を前世・今世・来世の三世に配当して108”となり、これが煩悩の数と同じであった、というものです。
もしくは月の数12、二十四節気の数24、七十二候の数72を足した数が108となり、1年間を表しているとの説もあります。
現在では年神様を迎えるという認識はほとんどなく、主に家族で過ごし、この1年の振り返りや来年の抱負を考える日になっている家庭も多いと思います。
あるいはカウントダウンを外で迎え、そのまま初詣に行くという方もいるでしょう。
ですが大晦日には本来、年神様を迎えるという大事な意味がありますので、できる範囲できちんとした作法を踏襲しておくのも大切だと思います。
昨日は何の日?
12月30日
今日は何の日?
12月31日
・大晦日
明日は何の日?
1月1日
・元日