世界の法の日
1965年の9月13日から20日までワシントンで開催された「法による世界平和第2回世界会議」で、9月13日を「世界法の日」とすることが宣言されました。
1961(昭和36)年、東京で開催された「法による世界平和に関するアジア会議」で「世界の法の日」の制定が提唱され、2年後の1963年アテネで開かれた「法による世界平和第1回世界会議」で可決され、第2回世界会議で宣言されたものです。
法の支配を国際社会で確立することによって世界の平和を実現しようとする考えであり、当時の国際社会は「国益による支配」が優先されるような風潮になっていたため、これを危惧した各国によって「世界の法の日」が制定されることとなりました。
「世界の法の日」が制定されてからは「国際間に法の支配を徹底させることで世界平和を確立する」という趣旨のもと、世界各国が法の支配をもとに協力をしていくように呼びかけが行われています。
また、この日とは別に日本では1960年から10月1日を「法の日」としています。
未だに残っているイギリスの変な法律
“法律”とは様々な意味で用いられるもので、“国家や連邦国家の構成単位の議会の議決を経て制定される成文法”や、“統治者ないし国家により制定される実定法規範”のことです。
一般的にイメージされる法の属性としては、一定の行為を命令・禁止・授権すること、違反したときに強制的な制裁(刑罰、損害賠償など)が課せられること、裁判で適用される規範として機能することなどがあげられます。
その歴史は古く、紀元前3000年頃にまで及ぶ古代エジプトの法律には、12編に分別された民法がありました。
それは、伝統の重視、修辞的な文言、社会的平等性の尊重、公平性の重視を特徴とする、“マアト”の概念に基づいたものです。
紀元前22世紀頃までに、古代シュメールの支配者であるウルナムムは、平易な表現(“もし何々ならば何々”という形式)から成る、現存するうちで最初の法典を策定しました。
ハンムラビ王は紀元前1760年頃にバビロニア法典を発展させ、バビロニアのいたる所にこの法典を散在させることで国民が閲覧できるように体制を整えています。
これがいわゆる“ハンムラビ法典”として知られるもので、この法典の全体は19世紀に英国の宗教学者によって発見された後、英訳、ドイツ語及びフランス語を含む様々な言語に完全に翻字され、翻訳されるに至りました。
法律が生まれてから今日に至るまで様々な法律が作られては改定されたり、あるいは廃止されたりしています。
ですがイギリスでは中世の頃にできた法律がそのまま現代でも残っているものが多く、法律を変えるのに手続き等もあり面倒だからというなかなか適当な理由で放置されているのです。
・イングランドに住む14歳以上の男性が毎日2時間のロングボウの練習を怠ることは違法である
ロングボウとは、主に13〜14世紀のイングランドで使われた長弓のことです。
射程距離が500mを超える優れた武器だっのですが、弓を引くにはかなりの力が必要であり、また習得が困難であったがために17世紀以降には廃れてしまい、そこで戦力を保つために中世に制定されたのがこの法律になります。
いつ頃から守られなくなったのかは不明ですが現代社会でも残っています。
・ライセンスを与えられた場所(パブやバー)で酔っ払うのは違法である
20世紀初頭に制定されたこの法律は、現在では80ポンドの罰金が科せられることもある(イングランドとウェールズのみ)、現在進行形の法律です。
文面だけ見ると困惑するかもしれませんが、ただ陽気に酔っ払うだけで問題になることはなく、酔って“治安を乱す行為”をした人や、自分で自分の面倒を見られなくなるほど泥酔した際に適用されるものだそうです。
・下院議員は甲冑を身に付けて国会議事堂に入ってはならない
“議会は平和であるべき”との願いから1313年に制定されたこの法律です。
なぜこの法律が残されたままなのかということよりも、当時でも甲冑で入っていた人がいたのかという疑問が浮かびます。
・ヨーク市の旧市街に張り巡らされた壁の内部では 弓矢を持ったスコットランド人に限り殺してもよい
イングランド北部の都市ヨークの一部は12〜14世紀にかけて築かれた城壁に取り囲まれていました。
もちろんこの法律は現在では実際の効力を持たないのですが、残っているのは確かであり“殺してもよい”という強烈なワードが印象的ですね。
この他にも世界では様々な法律があり、一見変な法律でも割と真面目に取り締まられるものもありますので、もし海外旅行に行く際は無用なトラブルを避けるためにあらかじめ調べていくことは大事だと思います。
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