ビタミンの日
「ビタミンの日」は1910(明治43)年のこの日に、農芸化学者である鈴木梅太郎博士が米糠から抽出した脚気を予防する成分に「オリザニン」と命名したことを東京化学会で発表したことが由来で、2000(平成12)年9月に『ビタミンの日』制定委員会が制定しました。
その後「オリザニン」はこの1年後に発見されたビタミンB1と同じ物質であることが判明します。
ビタミンの代名詞レモンにはいうほどビタミンは含まれていない
“ビタミン”とは生物の生存・生育に微量に必要な栄養素のうち、炭水化物・タンパク質・脂質以外の有機化合物の総称です。
なお、栄養素のうち無機化合物は“ミネラル”と呼ばれます。
ビタミンはほとんどの場合、必要な量を生体内で合成することができないので、主に食料から摂取され、ビタミンが不足すると疾病や成長障害が起こります。(ビタミン欠乏症)
ビタミンは通常の食事を取っていれば必要量が摂取できますが、単調な食事や特殊な環境下での生活が続くとビタミン不足による体調不良が発生し、長い間それは単なる病気と見られていました。
ビタミン発見の発端は兵士が壊血病や脚気に集団でかかり、当時の軍医らがこれらの病気の撲滅を狙って研究したことから始まるもので、現在ではこれらの病気はビタミン不足による障害だと知られています。
1734年、J・G・H・クラマーは壊血病にかかるのはほとんど下級の兵卒であり、士官らはかからないことに気づきます。
というのも士官らは頻繁に果物や野菜を食べており、下級の兵卒らは単調な食事を続けていたことが原因とし、壊血病を防ぐために果物や野菜を取ることを勧めました。
日本でも日本海軍の水兵に脚気が蔓延し悩まされており、軍医大監だった高木兼寛は士官は脚気に冒されず、かつ単調な食事をしていないことに気づき食事を改善した結果、脚気自体は減ったもののビタミンの存在には気づきませんでした。
物質としてビタミンを初めて抽出、発見したのは鈴木梅太郎でした。
彼は1910年に米の糠からオリザニンを抽出し論文を発表したのですが、日本語で発表したため世界に広まらなかったのです。
その後、研究が進むにつれてビタミンはいくつか見つかり、その都度正式な化学構造が判明し適当な名前を付けるまでの仮称としてD、E、Fと順に名付けられます。
そして同じB群でも似た性質のグループでB1、B2、…と分けられたり、間違いが発覚し消滅(FやH)を経て現在に至るのです。
ビタミンといえばよく“レモン◯◯個分のビタミンC”といった宣伝文句を目にしますよね。
いかにも多くのビタミンを含んでいそうですが、実はビタミンCの代名詞のようなレモンにはそんなにヴィタミンCが含まれていないことをご存知でしょうか。
というのもレモンに含まれるビタミンCの量はレモン1個(100g)に対して“100mg”だとされていますが、これは皮ごと食べた時のビタミンCの含有量であり、果肉の部分を食べただけでは20mg程度しか摂取できないのです。
他の100gの果物のビタミンCの含有量と比較するといちごが62mg、みかんが32mg、キウイが69mg、アセロラに至っては1700mgとお世辞にも豊富とは言えません。
なぜビタミンCがレモンの個数で表されるようになったのかというと、人間が1日に必要とするビタミンCの量が100mgであり、レモンを皮ごと食べた場合のビタミンCの量と同じだったのでこれが定着したのです。
普段なかなかレモンを皮ごと食べる機会はないかもしれませんが、レモンピールやスムージーなど美味しく摂れるレシピもありますので、調べてみてはいかがでしょうか。
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