石の日
「石の日」は「い(1)し(4)」の語呂合せが由来です。
この日に、地蔵・狛犬・墓石など願いがかけられた石に触れると、願いが叶うと言われています。
また11月14日も「いい石の日」となっていますのでそちらもご覧ください。
実在する呪われた宝石
“石”とは岩より小さく砂よりも大きい、鉱物質のかたまりのことで、何らかの原因で岩が割れていくらか小さくなったものです。
古代からイギリスのストーンヘンジやストーンサークルなどのように、何らかの境界を表すものとして石がおかれることがあります。
石は人間の一生というタイムスケールの中では意図的に壊そうとでもしない限り大きな変化は怒らずより長い時間を存在する、つまりは永久不変の存在だと考えられてきました。
このため石は永遠性の象徴として崇められ、民俗学上ではこういった思想が世代を超えて受け継がれる原始宗教と結びついていったとも考えられています。
不老不死に憧れを抱いた者の中に鉱物を永久不変の元として捉え、それら鉱物から“不老不死のエッセンス”を抽出すればいわゆる“不老不死の薬”が作れると考えた者もいました。
こういった者の中には不老不死の妙薬として、鉱物から抽出される水銀(常温・常圧で凝固しない唯一の金属元素)を服用して中毒死した者も記録に残されており、また錬金術において不老不死研究の過程でも少なからず鉱物に永遠性の象徴を求めていったケースが見られます。
日本の神社には、通常の神とは別に石が祀られていることも多いです。
また、日本には各地に存在する夜泣き石の伝説(殺されたものの霊が乗り移って泣き声をあげる、あるいは石自体が泣き声をあげるというもの)や陰陽石といわれる男女を表す石もあり、殺生石(栃木県那須市の那須湯本温泉付近に存在する溶岩)は“妖怪の祟り”をもたらすとされています。
さらに、宝石には伝説がつきまとうことがあり、特にホープダイヤモンドのそれは有名です。
“ホープダイヤモンド(Hope Diamond)”とは、現在スミソニアン博物館のひとつである国立自然史博物館に所蔵されている45.52カラットのブルー・ダイヤモンドです。
紫外線を当てると1分以上に渡って赤い燐光を発します。
紫外線を当てられて発光するダイヤモンドは珍しくないのですが(ダイヤモンドのうちおよそ1/3は紫外線を当てると発光する)、赤くしかも1分以上も光り続けるというのは極めて珍しく、現在のところその原理は解明されていません。
青い色の原因は不純物として含まれるホウ素が原因であることが解析の結果判明してはいますが、ダイヤモンドが生成される地下深くではホウ素はほとんど存在しないとされているため、“なぜダイヤモンドの生成時にホウ素が含まれたのか?”についても謎となっています。
いわゆる“持ち主を次々と破滅させながら人手を転々としていく『呪いの宝石』”として有名ですが、その伝説は大幅に脚色されています。
ホープダイヤは9世紀頃、インド南部のデカン高原にあるコーラルという町を流れる川で農夫により発見されました。
1660年にフランス人の宝石商がこのダイヤを買い取ります。
“呪いの伝説”ではヒンドゥー教寺院に置かれた女神シータの彫像の目に嵌められていた2つのうちの1つが盗まれ、それに気づいた僧侶があらゆる持ち主に呪いをかけたとされ、この宝石商も呪いによって死んだことになっていますが実際は老衰で死んでいます。
1668年にはフランスのルイ14世がこのダイヤを購入、“ブルーダイヤ”と命名し加工、王の儀典用スカーフなどに付けられました。
その後1792年に窃盗団によって他の宝石共々盗まれ、一部は売り飛ばされた記録が残っていますがブルーダイヤについては不明のままでした。
1812年にはイギリスのダイヤモンド商がとあるダイヤモンドを所持しており、これが“ブルーダイヤ”から切り出されたものと後に判明しています。
これが今日に残る“ホープダイヤ”になります。
1824年にはヘンリー・フィリップ・ホープの宝石コレクションとして記録されており、彼はこのダイヤをブローチに取り付けて社交界などで使用された記録がありました。
ヘンリー・フィリップ・ホープの死後、ホープ一族の間で転々とし、1887年にはヘンリー・フランシス・ホープがブルーダイヤを継承、“ホープダイヤ”と名付けました。
その後フランシス・ホープは破産し、ダイヤは再びフランスへ戻ります。
オークションなどを経てホープダイヤは装飾し直され、次はアメリカの社交界の名士といわれたエヴェリン・ウォルシュ・マクリーンの手に渡りました。
マクリーンの死後、相続人はマクリーンの債務の弁済にホープダイヤを売却する許可を得て、ニューヨークのダイヤモンド商ハリー・ウィンストンに売却します。
“呪いの伝説”ではマクリーンは呪いによって一族諸共死に絶えたとされていますが、子孫も生存していることから事実ではありません。
1958年にウィンストンはスミソニアン協会にホープダイヤを寄贈、2009年には宝石単独で展示、2010年にはルイ14世時代のレプリカなども公開されています。
このように確かに所有者を転々とはしていましたが、呪いによる死者というのはいません。
“呪いの伝説”の話は1909年にロンドン・タイムズの6月25日号において、パリの通信員が“悲惨な最期を遂げた”とする架空の所有者を多数含んだ記事を寄せたのが最初であるとされています。
ここまで“呪いの伝説”が広まってしまったのはやはり、“いわくつきの美しい宝石”というのは人を惹きつける何かがあるからなのだと思います。
数々の映画やアニメなどでもホープダイヤを由来とする単語は出てきますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
ジェームズ・キャメロン監督による映画“タイタニック”でも“碧洋のハート”という宝石が“ホープダイヤよりも高価なダイヤ”として登場していますよ。
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