“無知の知”という言葉を一度は聞いたことがあると思います。
“無知の知”とは哲学者ソクラテスの言葉で、無知であるということを知っているという時点で、相手より優れていると考えること、また同時に真の知への探求は、まず自分が無知であることを知ることから始まるということを意味します。
他人の無知を指摘することは簡単であるが、言うまでもなく人間は世界のすべてを知ることはできません。
ギリシアの哲学者ソクラテスは当時、知恵者と評判の人物との対話を通して、自分の知識が完全ではないことに気がついている、言い換えれば無知であることを知っている点において、知恵者と自認する相手よりわずかに優れていると考えました。
また知らないことを知っていると考えるよりも知らないことは知らないと考えるほうが優れている、とも考えました。
なお、論語にも“知るを知るとなし、知らざるを知らずとなす、これ知るなり”という類似した言及も存在します。
しかしこれらは“無知が良い”という意味ではなく“無知であることを自覚することで新たな学びを行うことを促進し、その結果無知を克服し成長する”ことを意味するものなのです。