羊羹は和菓子であるとほとんどの人が思っているはずです。
ですが意外にも“羊羹”の意味は羊の羹(あつもの)、つまり羊肉の汁もののことなのです。
歴史をさかのぼるとルーツは中国で、鎌倉~室町時代に中国に留学した禅僧によって日本に伝えられました。
古代の中国において羊肉は大変珍重されており、そのスープは今の北京の名物料理「羊肉(ヤンロウ)」に最も近いそうです。
この時代の羊羹は、時に外交という重要な場に供させるほど高級な食べ物だったそうで、司馬遷の“史記”には、中国の戦国時代に宋の将軍が御者に羊羹(羊の汁もの)を与えなかったため、恨みを買い攻められて敗北したという記載があるほどです。
当時の日本では肉食が忌み嫌われていたため、小豆の粉、すりおろしの山芋、小麦粉、くず粉を煉り、羊の肝の形に切って蒸し、汁の中に入れていとのことです。
その後、江戸時代に小豆餡、寒天、砂糖を原料として煉り上げた羊羹が創りだされ、現在の羊羹の形が定着しました。