訪問先で和室へ通されたときどうしていいかわからず、右往左往した経験がある方もいると思います。
そこでいくつかの和室に関するマナーを載せてみます。
・挨拶は座って行なう
洋室に慣れた生活を送っているとつい挨拶も立ったまましてしまいがちですが、これは和室ではNGです。
“頭が高い”という言葉があるように、頭の位置は相手への敬意を示すうえで重要です。
すでに上司や先輩など役職が上の人が座っているにも関わらず、目下の者が立ったままで挨拶したら失礼にあたります。
和室では座った状態で挨拶を行いましょう。
・襖は複数回に分けて開け閉めする
襖の開け閉めに戸惑うことも多いと思いますがお辞儀と同様、襖の開け閉めも座って行います。
襖には引き手があるのでそこに指をかけて一気に開けてしまいがちですが、これも和室ではNGです。
引き手は最初に少しだけ開けるために使い、襖は複数回にわけて開け閉めするのがマナーです。
日本の作法では、一度に何かをすることを避ける傾向があるそうです。
一度で開け閉めするほうが楽に思えますが、周りから見て美しくないだけでなく、物や人に対する敬意に欠けるとみなされてしまいます。
・畳のへりは踏んではいけない
たたみのへりは畳の他の場所に比べて段差になっているので“転ばないように”という意味もあるのですが、単にそれだけではありません。
へりに描かれている模様はかつて、その家の家紋が描かれていました。
つまり畳のへりを踏んでしまうことは家紋を踏むこととなり、ご先祖様に対して失礼になるからです。
何かを足で踏みつけることは敬意を払わない無礼な行為とみなされます。
昔の日本では“家”というものが重要視されており、そんな大切な“家”の象徴でもある家紋を踏む行為は、とても許されるものではなかったのです。
また、へりの材質に気を使ったという理由もあります。
へりは絹の藍染などで仕立てているのですが、色染めはデリケートで、摩擦をすると色飛びをおこす原因となります。
へりの上を歩くことで色が飛んでしまわないように、へりを歩いてはいけないというマナーが生まれたわけです。