カルピスの日
「カルピスの日」は1919年のこの日にラクトー(現在のカルピス)が乳酸菌飲料のカルピスを発売したことから、現在の親会社であるアサヒ飲料株式会社によって制定されました。
もうすぐ100周年となりますが、ここまでロングセラーを続ける飲料も珍しいと思います。
カルピスと仏教の意外な関係
“カルピス”とは、日本の飲料・乳製品メーカーであるカルピス株式会社および、同社が製造しアサヒ飲料が販売する乳酸菌飲料の名称です。
その原液は非常に高濃度で、そのままでの飲用は推奨されていません。
水、湯または牛乳で2.5から5倍程度に希釈して飲用とされ、かき氷のシロップとして、またカルピスハイなどの材料にも使われます。
原液はその濃さから常温保存しても腐敗しにくい性質があり、戦前から一般家庭の常備品や日本軍の補給品として、戦後は贈答用としても広く使われています。
このカルピスの生みの親は“三島海雲(かいうん)”という人物で、1878(明治11)年7月2日、現在の大阪府箕面市にある教学寺の三島法城の長男として生まれました。
西本願寺文学寮で学んだ後、英語の教師になった海雲は、仏教大学(現在の龍谷大学)に編入しましたが、入学後間もなく、大学から中国へ渡ることをすすめられ、1902(明治35)年、当時日本の青少年の憧れの地であった中国大陸に無限の可能性と夢を求めて渡っていきます。
中国で教師をしていた後、日華洋行という雑貨商の事業を行なうことになりました。
あるとき、仕事で北京から内モンゴルに入った海雲は、そこで“カルピス”の原点である酸乳と出会いました。
当地の遊牧民たちが毎日のように飲んでいた酸っぱい乳をすすめられるまま口にしたところ、そのおいしさと健康効果に驚きを受けました。
長旅ですっかり弱っていた胃腸の調子が整い、体も頭もすっきりしてきたのです。
その酸っぱい乳が乳酸菌で発酵させた“酸乳”だったのです。
酸乳を日常的に摂取しているモンゴル民族のたくましさに驚き、自らも酸乳の健康への効果を体験し、その力を実感しました。
そして1919(大正8)年カルピスを開発・発売し、この飲料と同名の企業の創業者となったと伝えられています。
“カルピス”という名前は“カルシウム”とサンスクリットの“サルピス”(熟酥=じゅくそ)を合わせたものです。
サンスクリットとは古代インド・アーリア語に属する言語であり、インドなど南アジアおよび東南アジアにおいて用いられた古代語のことです。
文学、哲学、学術、宗教などの分野で広く用いられ、ヒンドゥー教、仏教、シーク教、ジャイナ教の礼拝用言語でもあり、現在もその権威は大きいものとなっています。
日本語では“梵語”ともいわれ、近代以前から、般若心経など、サンスクリットの原文を漢字で翻訳したものなどを通して、梵語という言葉は使われてきました。
寺生まれの三島雲海らしい名付け方ですね。
カルピスの原液を製造する際はカルピス菌というものを使用しますが、これは偶然発見されたものであり世界中を探しても見つからないとされており、約100年間継ぎ足しながら作られており、これは販売されている家庭用の原液では不可能のようです。
また長くその製法は企業秘密とされていましたが、1990年代半ばに公開されました。
カルピスを飲んでいる時にできる白い固まりは、カルピスに含まれるカゼイン(タンパク質)と唾液が反応して出来るものであり、害があるものでありません。
もうすぐ100周年を迎えるので、もしかしたら何か特別なカルピスが販売されるかもしれませんね。(平成30年7月現在)
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