公認会計士の日
「公認会計士の日」は1948(昭和23)年のこの日に「公認会計士法」が制定されたことから、日本公認会計士協会が1991年に制定しました。
第二次世界大戦後であった日本はアメリカの制度にならって「公認会計士法」を制定し、現在では日本には約1万人の公認会計士がいるそうです。
公認会計士という仕事
“公認会計士”とは、会計の専門家です。
各国の制度によってその業務の範囲と比重は異なりますが、共通して会計監査(財務諸表監査)を独占業務としており、そのほかに経理業務やコンサルティング業務、税務業務も行います。
会計監査とは簡単に言えば企業や行政機関が報告した会計内容に間違いはないか、または虚偽などはないかをチェックする仕事となります。
この会計監査を企業の経営に携わる人間や行政の人間が行ってしまうと、いくらでも虚偽の会計報告が通ってしまうことになるため、そうならないためにも独立した機関として公認会計士は必要不可欠な職業なのです。
これは虚偽の財務情報によって投資者や債権者などの利害関係者が損害を被ることを防ぐことにあります。
財務諸表監査が行われないとすると、証券市場を投資家が信認することができなくなり、経済の活性化が阻害されてしまいます。
その意味で財務諸表監査は経済の発展に資しており、公認会計士制度は重要な経済インフラであると言え、こうした公認会計士の役割はしばしば“資本市場の番人”とも呼ばれるのです。
公認会計士制度を完成させたのはイギリスでした。
以前の簿記は基本的に現金主義であくまで現金や債務債権および在庫の記録のみに終始していましたが、産業革命に伴う資本投資および在庫の拡大、さらには金融業の発達に伴う貸借の複雑化などから発生主義会計が重視されるようになり、減価償却などそれまでの簿記に含まれていなかった概念が登場し、会計処理の需要が急増します。
当初は専門職としては成立していませんでしたが、19世紀に至ると会計士が専門の組合“会計士協会”を形成します。
1853年にスコットランドのエディンバラで成立したエディンバラ会計士協会は、1854年10月23日に国王より勅許を受け、ここに世界最初の公認会計士が誕生するのです。
さらに、株式会社が資本主義において重要な位置を占めるようになると、会社の経営陣と所有者(株主)の分離がおこり、企業の株(および債券)が有価証券として市場で取引されるようになります。
結果としてこれまでは内部資料に過ぎなかった企業の会計資料がこれらの有価証券の公正な価格の基準として公共性を帯びるようになりました。
前述のエディンバラ会計士協会の会員であるウィリアム・クィルター(1808年-1888年)は、株主が監査を行うことを不適当であるとし、“監査の独立性”を強く主張します。
その後、イギリスでは株式市場に上場する企業の財務諸表に関する適正性を証明する監査業務に関しては、公認会計士に独占的業務権が法的に与えられるようになりました。
こうして“公認会計士”という仕事が成り立っていったのです。
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