宇宙の日
「宇宙の日」は1992年のこの日に毛利衛さんがアメリカのスペースシャトル・エンデバーで宇宙へ飛び立ったことが由来で、科学技術庁(現在の文部科学省)と文部省宇宙科学研究所が1992年に制定しました。
日付は一般公募で決められたものになります。
毛利衛さんは「微小重力実験」を目的としてペイロードスペシャリスト(搭乗科学技術者)としてスペースシャトルエンデバーに搭乗し、宇宙から帰還した直後にはテレビカメラに向かって「宇宙からは国境線は見えなかった」とコメントしたことは有名です。
2000(平成12)年2月12日にも2度目の宇宙飛行に参加し、その時にはミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者)として、レーダーによる地球の地形の精密な観測(SRTM)という任務をこなしました。
スペースシャトルは実は飛べない
“スペースシャトル”とは1981年に初飛行し、退役まで135回の飛行を重ねた世界初の宇宙往還機です。
スペースシャトル以前の宇宙船は全て使い捨てのもので、宇宙往還機は計画や開発は行われていましたが、実際に飛行することはありませんでした。
1960年代のアメリカ合衆国空軍の極秘調査により“一部再使用型の宇宙船が最も安上がりの方法である”と判断されたため、本格的な調査開発が開始され、1969年に当時のニクソン大統領がスペースシャトル計画を正式に決定します。
その後、飛行可能なスペースシャトルは6機製造され、その内宇宙に行けるように製造されたのは5機でした。
しかし、スペースシャトルの一回の飛行にかかる費用は当初の想定予算よりも高い金額がかかってしまい、結果として使い捨ての宇宙船を使うよりもはるかに高いコストをかけることになってしまいます。
計画開始当初では“一回の飛行あたり1200万ドルほどのコストで飛ばすことができる”などと主張するNASAの関係者もいて、そうした甘い見込みのもとに計画は進んでしまったのです。
人を乗せて飛ぶシャトルを繰り返し安全に飛ばすためには、再使用する機体の部品をひとつひとつ徹底的に再検査しなければならず、シャトル膨大な数のパーツで構成されているため、再検査の作業も膨大であり、その費用は巨額のものになったという背景があります。
エンデバーの製作にかかった費用は約17〜18億ドルで、シャトルの一回の飛行にかかる費用は2002年の時点では約4億5,000万ドルでしたが、コロンビアの事故以降は費用が上昇し、2007年には1回の飛行につき約10億ドルも要するようになりました。
冒頭で“初飛行”と書きましたが、実はスペースシャトルは大気圏中を飛ぶことはできません。
スペースシャトルの燃料は、そのほとんどが打ち上げの際に使いきられます。
帰ってくる時の推力のほとんどは重力によって賄われており、スペースシャトルは帰還時は滑空状態、つまりはグライダーと同じ要領で帰ってくるのです。
そのため、着陸にはやり直しが行えず、着陸地点の天候は厳しくチェックされて、もし天候が悪いようであれば他の着陸地点に着陸します。
そして、大気圏中を飛ぶことのできないスペースシャトルは、シャトル輸送機に乗せられてケネディ宇宙センターへと帰ることになるのです。
2011年7月8日(日本時間9日未明)に打ち上げられたアトランティスのSTS-135をもって、30年余りに及んだスペースシャトル計画は終了となりました。
現在はシャトル退役による宇宙開発計画の間隙を埋めるべく、飛行士や搭載物をISSに運ぶだけでなく、地球を離れて月や火星まで到達できるような宇宙船が開発中とされています。
国家主導ではなく、民間の商用宇宙船なんてものも現実味を帯びてきており、宇宙に自由にいくことができる時代か確実に迫ってきているのかもしれませんね。
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