ボタンの日
「ボタンの日」は1870(明治3)年のこの日に金地に桜と錨の模様の国産のボタンが海軍の制服に採用されたたことから、1987(昭和62)年に日本釦協会・全国ボタン工業連合会等が制定しました。
スーツの袖にボタンがついている理由
“ボタン”とは衣服、鞄、靴などに止め具として使用される服飾物で、多くは装飾を兼ねており、語源はポルトガル語が最も有力な説とされています。
日本では大陸で見られる青銅製ボタンの出土例があるものの、衣服のつなぎ止めには古来から紐結びが一般的だったとされ、ボタンが日本に入ってきた当初は一般民衆はボタンを根付として珍重していました。
日本で“ボタン”という名が用いられたのは江戸時代中期だといわれており、明治維新前後の洋装化に従って“ボタン”という言葉が普及していったと考えられています。
ボタンは袖口を留めたりするために用いられますが、飾りでついているものも多く、スーツの袖のボタンもその一つです。
なぜスーツの袖にボタンが付けられているかは“ナポレオン”が関係していると言われています。
1812年6月にフランス皇帝ナポレオンは60万人もの軍を率いてロシアと戦争を始めました。
ナポレオンは冬までに決着を付けるつもりでしたが、ロシア軍は決戦には応じず部隊を吸収しながら後退を続け、戦争は長期化してしまいます。
そして、ジワジワと進軍するうちに涼しい季節となり、フランス兵士たちは寒さを覚える時期になりました。
中には風邪をひいて鼻水が出ていた兵士もいたようで、軍服の袖で鼻水を拭っていたとされ、上官がみっともないから止めるように言っても兵士は一向に止めなかったそうです。
ナポレオンも軍服が汚れることを嫌っていたので軍服の袖に金属のボタンを付けさせ、このボタンが邪魔となって兵士たちは袖で鼻水を拭うことはしなくなったといわれています。
このナポレオンが関わっていた説が有力とされていますが、真実かどうかは不明です。
もう一つの有力な説として医者が関係しているという説があります。
かつてはスーツを脱ぐのは失礼なことで、基本的に外では脱がないものでした。
ですが、お医者さんが治療する際にそのままでは袖が邪魔になってしまいます。
そこで袖口のボタンを外して袖口を広げ、まくり上げることができるように作られたスーツを“ドクタースタイル”と呼びました。
これは当時のスーツがオーダーメイドが主流だったことが関係しており、既製品のスーツが大量生産される時代になるとその機能は省略されボタンだけが残った、という説になります。
現在ではボタンの素材や形、個数など多種多少なバリエーションで個性を演出することが可能です。
スーツを作る際はぜひボタンにも拘ってみましょう。
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