大工さんの日
「大工さんの日」は11月が「職業能力開発促進月間」であること、「十一」を組み合わせると「士」となり「建築士」にふさわしいこと、22日は大工の神様とされる聖徳太子の命日(622年2月22日)であること、「11二二」を組み合わせると、11はニ本の柱を表わし、ニは土台と梁あるいは桁を表して軸組合の構造体となり、11月22日が大工との関係が密接であることから、1999(平成11)年に日本建築大工技能士会が制定しました。
日本建築大工技能士会によると「建築大工業界の発展と木造住宅の振興」という事を目的としているようです。
「職業能力開発促進月間」は11月10日の「技能の日」を中心として、国及び都道府県において広く国民一般に対し職業能力の開発・向上に関する広報活動を行う月となっています。
大工さんが釘を咥える理由
“大工”とは主として木造建造物の建築・修理を行う職人のことで、古くは建築技術者の職階を示し木工に限らず各職人を統率する長、または工事全体の長となる人物を指しており、番匠(ばんじょう)ともいいます。
現在の建築業界においてはさまざまな新しい技術や工法、新建材の知識はもとより、建築工程をまとめる過程において建築業務に携わる他職人や業者の関連業務知識が必要とされる場合があり、現在でも木造建築の建築業務などにおいては実質的現代棟梁であるとされる場合が多いようです。
かつては一般の木造建築の職人を“右官”と呼んでいましたが、江戸時代頃から一般の職人も大工と呼び、統率者に対しては、棟梁と呼ぶようになりました。
飛鳥時代に現在も使われている“さしがね”を考案したとも言われる聖徳太子が組織し、都造りのため天皇のそばで建築の“木”に関わる職を“右官”、“土”に関わる職を“左官”と呼んでいたという説もあります。
一言に大工と言ってもその派生は多く、一般的な木造住宅における木材・建材の加工・取り付け作業を行う“家屋大工”を始めとして、神社・仏閣の建造などを行う“宮大工”、障子・ふすまなどの製作を主とする“建具大工”、家具を作る“家具大工”など非常に多岐にわたります。
木造船(和船、帆掛け舟、屋形船)の建造などを行う“船大工”もありましたが、純粋な木造船は現在では使われず、技術を伝える者もほとんどいないそうです。
特殊な大工としては茶室を造る“数寄屋大工(すきやだいく)”というのもあります。
主に木造軸組工法で茶室風を取り入れて家屋を造るもので、わび・さびや花鳥風月といった粋や趣を表現し、実用一辺倒ではない細工や材料を用い、どちらかといえば芸術家に近い大工です。
一般的な大工のイメージといえば鉢巻をして、釘を咥えているというステレオタイプなイメージを持っている方も多いと思います。
この“釘を咥える”という行為は釘をわざと錆びさせるためにやっていたと言われることがあります。
錆びさせるのは強度的に良くないのでは、と思われるかもしれませんが昔の鋳鉄製の釘と現在良く使われる釘とは根本的に違うもので、鋳鉄は錆は錆でも程よく錆びるといえ、表面近くの打ち込まれた木の繊維に接する所だけが錆び、酸化することによってその保持力を高めます。
とされていますが、木材そのものにそもそも水分が含まれているのでわざわざ咥えなくても釘は錆びますし、咥えると言っても唇で挟む程度ですので錆びを促すほどの唾液がつくことはほぼありません。
このことから釘を咥えるのは両手が空くので、あくまでも作業の効率化のためだったというのが実際のようです。
現在の釘は錆びないようにメッキを施した物やステンレス製の物など多種様々で錆びて朽ちてしまう物もあり、そもそも金槌ではなく機械によって打ち込むことも多いので“釘を咥える大工さん”というのはあまり見かけなくなりました。
かつてはなりたい職業ランキングに入るほど人気でしたが、今ではそのなり手は年々減っているようです。
ですがDIYブームによって大工仕事自体に触れたことがある人は多いのではないでしょうか。
もしかすると今後はまた大工という職業が人気になるかもしれませんね。
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