南極の日
「南極の日」は1911(明治44)年のこの日にノルウェーの探検家・アムンゼンと4人の隊員が人類で初めて南極点に到達したことが由来です。
ロアール・アムンセンは主に極地へと挑んだ探検家として世界では知られており、1911年1月14日にアムンセン隊はロス棚氷の北東部にあるクジラ湾から南極大陸に上陸してそこにフラムハイム基地を建設、同年の10月20日にアムンセンは4人の選抜隊と共にフラムハイム基地を出発します。
4台の犬ぞりを52頭の犬ぞりにひかせて南極横断を開始し、天候にも恵まれたアムンセン隊は順調に探検を進め、1911年12月14日に人類初の南極点到達を果たしました。
帰路でも特に事故などもなく、1912年1月25日には一人の犠牲者も出すことなくフラムハイム基地へと帰還したのです。
アムンセンは当時人類初の南極点到達をイギリス海軍大佐であるロバート・スコットと競っており、当初はスコット隊の進行ルートの方が有利とされていましたが、アムンセンが先を越したのです。
その後、アムンセンは1926年には飛行船を利用して北極点へと到達し、同行していたオスカー・ウィスチングと共に「人類史上で初めての南極と北極の両極点に到達した人物」となりました。
1万4000km離れた郵便局
“南極”とは地球上の南極点、もしくは南極点を中心とする南極大陸およびその周辺の島嶼(とうしょ)・海域(南極海)などを含む地域のことです。
1961年6月に発効した南極条約により、南緯60度以南の領有権主張は一部の国が主張を続けていますが凍結されており、軍事利用や核実験なども禁止されています。
南極大陸は地球上で最も寒冷な地域の一つであり、およそ3000万年の間降り積もった雪が溶けずに1000~2000メートルの厚い氷の層となった氷雪(氷床)に覆われ一部の沿岸地区の地衣類を除き、植生はほとんどありません。
陸地はほとんど氷床下にあり露岩地区は少なく、氷床は氷河となってゆっくりと山の斜面をずり落ちて海に押し出されて流出し、一部では棚氷を形成しています。
棚氷は沖に押し出され、自らの重さによってひび割れして氷山として海を漂うことになるのです。
高緯度の極地である南極大陸は日本など低・中緯度地域と比べて地球温暖化等の影響が顕著であり、近年の報告では温暖化に伴って氷河・氷床の大規模な融解が観測されています。
また、融解速度も速まることで今世紀中にメートル単位での海面上昇を引き起こす可能性も指摘されています。
南極大陸は西半球の西南極と東半球の東南極からなり東南極のほうが面積が大きく、西南極には南極半島があります。
この半島の北端は南緯63度付近と実は南極圏外にあり、ツンドラ気候地帯なので南極のなかでは比較的温暖であるため、各国の観測基地も集中しています。
日本も南極半島ではありませんが東側に有人の観測基地“昭和基地”を建設しており、昭和基地は天体・気象・地球科学・生物学の観測を行う施設で、南極地域観測隊員は約60名おり、そのうち約40名が基地で越冬するのです。
南極物語のタロやジロを含む1次越冬隊の際に有名になった犬ぞり用の犬などは、その後環境保護に関する南極条約議定書により生きた動物や植物等の南極への持ち込みが禁止されたため現在はいません。
この昭和基地には実は郵便局があり、しかも1万4000km離れているにも関わらず国内料金で郵便を送る事ができます。
というのも南極は条約によってどこの国の領土にもなっていないからです。
ですが、エアメールなどではなく船で年に一度だけ輸送を行っているので、到着にはかなりの時間を要します。
南極観測船“しらせ”に郵便局員が乗りこんでいて、南極隊員から郵便を預かって日本へと運ぶこともあるそうです。
ちなみに昭和基地の宛先は
〒100-8799
東京都千代田区丸の内2丁目7-2 東京中央郵便局気付
「昭和基地内郵便局」昭和基地宛
となるそうです。
一般人が送ることはないかもしれませんが、基地の観測員にとってはとても大事な手紙となっていると思います。
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