福の日
「福の日」は12月29日は正月を迎える直前であり、買い物や大掃除をして正月に供える日であることを由来として、おせち料理などに使われる水産練り食品などの製造・販売を行っている株式会社紀文食品が制定しました。
紀文食品によるとこの日を「正月行事の本来の意味や謂われなどを知ることによって、福を招いてもらう」ということを目的としているようです。
また、12月29という日付が「29(ふく)」という語呂合わせであることも、この日を「福の日」とした由来になっています。
鏡餅を飾る理由
お正月への準備といえば様々ありますが鏡餅も欠かせないものであり、実家の神棚や床の間に飾っている家庭も多いのではないでしょうか。
お正月になぜ鏡餅を飾るかご存知でしょうか。
そもそも“鏡餅”とは日本の伝統である、餅を神仏に供える正月飾り(床飾り)であり、 穀物神である“年神(歳神)”への供え物であり、その依り代になるものです。
鏡餅という名称は、その形状が昔の鏡の形に似ていることによります。
古来の鏡は青銅製の丸形で神事などに用いられるものであり、三種の神器の一つ“八咫鏡(やたのかがみ)”を形取ったものとも言われています。
また、三種の神器の他の二つに見立てられたものもあり“八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)”が橙(ダイダイ、みかんに似た柑橘類)、“天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)”にが串柿となり、一緒に飾られることも多いようです。
鏡餅を飾るという風習は平安時代には既に存在し、当時に書かれた源氏物語には『歯固めの祝ひして、餅鏡をさへ取り寄せて』の一節があります。
現在のような形で供えられるようになったのは、家に床の間が作られるようになった室町時代以降となります。
武家では床の間に具足(甲冑)を飾り、その前に鏡餅を供えていました。
鏡餅には譲葉・熨斗鮑・海老・昆布・橙などを載せるのが通例となり、具足餅(武家餅)と呼ばれたそうです。
一般的には大小2つの平たい球状の餅と橙が使用されますが地域によっては違いがあり、餅が三段のものや二段の片方を紅く着色して縁起が良いとされる紅白としたもの、餅の替わりに砂糖で形作ったもの、細長く伸ばしたものを渦巻状に丸めてとぐろを巻いた白蛇に見立てたものなど様々あります。
また、現代では橙の入手が難しい場合には温州みかんで代用するケースも多いです。
鏡餅を飾り始めるのは、早くても問題はありませんが12月28日が最適とされる事が多く、これは“八”が末広がりで日本では良い数字とされているからになり、大安(12月31日を除く)を選んで供える地域もあります。
12月29日は日本では“九”が苦しむにつながるので避けるべきとされていますが、逆に29を“福”と読み替えてこの日に餅を搗く地域もあります。
12月30日はキリの良い数字なので悪くないと考えられていますが、旧暦で12月は30日までしかない為、旧暦通りならば“一夜餅”の扱いとなるので忌避される場合もあります。
12月31日に飾るのは“誠意に欠ける”、“葬儀の飾り方を連想する”などや、30日のように“一夜飾り“、“一夜餅“になるとして忌避されますが、但し浄土真宗はこの限りでないようです。
正月が終わって下げた餅は“鏡開き”を行い、食することになります。
鏡は円満を、開くは末広がりを意味し、また刃物で切るのは切腹を連想させるので手や木鎚で餅を食べやすい大きさに分けられ、正月をすぎた鏡餅は硬く乾燥しひび割れているため、主に汁粉や雑煮や焼餅などにして食します。
近年では家庭内に飾ることの利便性と後で食べる際の衛生面を考えて、鏡餅が重なった姿を型取ったプラスチック(ポリエチレン)の容器に充填した餅や、同様の容器に(個別包装された)小さな餅を多数入れ、プラスチック製の橙などとセットにした商品が多く、各餅製造会社より発売されています。
これらは確かに便利なのですがやはり可能であれば年神様が困らないよう、ちゃんとした鏡餅を用意したいものですね。
昨日は何の日?
12月28日
今日は何の日?
12月29日
・福の日
明日は何の日?
12月30日