地下鉄記念日
「地下鉄記念日」は1927(昭和2)年のこの日に上野~浅草に日本初の地下鉄(現在の東京地下鉄銀座線)が開通したことが由来です。
当初は1923年に新橋~上野の区間で地下鉄を開通させる計画となっており実際に工事施工の認可を受けていたのですが、同年に発生した関東大震災の影響によって開通させる区間を上野~浅草に変更されました。
その後、1925年9月27日に着工されて約2年という歳月をかけて日本初の地下鉄は開通しました。
当時、アジアには地下鉄が存在していなかったため「東洋唯一の地下鉄道」のキャッチコピーで有名になり、開通した当日には長蛇の列が出来て賑わったそうです。
わずか2.2kmという短い区間だったにも関わらず、開通日には10万人もの人が乗車したといわれています。
そして1930年1月1日には万世橋、1931年11月21日には神田まで延伸され、1934年6月21日には当初予定していた上野までの路線が開通することになりました。
地下鉄がカーブする理由
“地下鉄”とは“地下鉄道”の略形で路線の大部分が地下空間に存在する鉄道のことで、主に都市高速鉄道として建設されるものです。
地下を通る路線は地下を走行するため景色が存在せず観光用途には向きませんが、高架橋の上を通る路線と同様に踏切や交通信号などの存在を介した道路など他の輸送システムとの相互干渉がないため、市街地が密集している大都市の中心部など本来、定時運行が難しい場所でも定時運行が可能であり、踏切事故などの交通事故の危険性も地上の鉄道路線に比べて極めて低いです。
また地上を走る路線と異なり強風あるいは雨・雪・霧などによる影響も受けることがなく、この点も定時性の確保に寄与しています。
地下道を通るという性質から運転時の視認性が悪いため、信号などの保安装置も地上の鉄道より安全なものが採用されていることが多く、衝突事故の危険性も低くなっているようです。
ですが、低所を走るため排水設備に不備があると水害の危険があり、近年はテロリズムの脅威が認識されています。
また、欧米では防火設備の不十分な古い地下鉄も多く、木製の車両やエレベーターが存在しているところもあり、閉所ゆえの危険性は避けられません。
地下鉄の歴史は19世紀のイギリスのロンドンから始まりました。
1863年1月10日にメトロポリタン鉄道のパディントン駅からファリンドン駅の間の約6kmが開通したもの(現在のサークル線の一部)が世界で最初の地下鉄になります。
当時のイギリスは鉄道の建設が盛んでしたが、ロンドン市内は建物が密集しており地上に鉄道を建設できなかったのが地下に作られた理由です。
車両は1905年に電化されるまでは蒸気機関車を使用しており、硫黄を含む煙が発生するため、駅構内は密閉された地下空間ではなく換気性を確保した吹き抜け構造となっていたほか、路線の一部も掘割でした。
一般に地下鉄を表す“メトロ”という単語はこのメトロポリタン鉄道に由来しており、この“メトロポリタン鉄道”を語源として命名された、パリの地下鉄の略称である“Métro(Métropolitain)”から世界中にその呼称が広まったといわれています。
地下を通るということは理論上では目的地まで直線に穴を掘れば最短で到着できるはずなのですが、実際はそうなっておらず東京の地下鉄の路線図などを見てみると非常に多くのカーブがあります。
これでは余計に時間がかかり乗客の負担となっているのではないかと思うかもしれませんが、実は逆に乗客の負担にならないためのシステムとなっているのです。
確かに本来は最短で走らせたほうが路線は短くなり工費も安くなります。
しかし、一般の人の土地の下を通してしまうと使用料が発生してしまうのです。
私有地の地下であっても土地の所有権が及ぶため、私有地の下に地下鉄を掘ると使用料が発生し、使用料として土地の値段の6割~7割前後ほどになりますが、当然その分は運賃などに含まなければいけません。
そこで使用料のかからない国道一般道の下になるように路線を無理やり曲げることにより初期費用を含めたコストを抑えて、結果として乗客の運賃を安くしているのです。
自治体が所有する公道に沿って地下鉄をカーブさせることで、使用料を抑え安い運賃を実現しているのでした。
近年では地下鉄の窓からも見える広告が導入されたりこれからの発展がますます期待されていますが、地下鉄サリン事件を始めとした人為的な災害や火災、地震、水害に対する脆弱性も指摘されています。
これらの問題がいつか解決するような体系が完成するといいですね。
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