昭和基地開設記念日
「昭和基地開設記念日」は1957(昭和32)年のこの日に日本の南極観測隊が南極・オングル島への上陸に成功し、昭和基地を開設したことが由来です。
1957年から翌1958年にかけては「国際地球観測年」と呼ばれており、当時はまだ未開の地だった南極大陸には日本を始め12か国による観測網が敷かれ、基地を設置することで本格的な調査や観測が可能となり、現在では各国が共同で共同で調査を行っています。
昭和基地とは南極大陸を調査・観測するための施設であり今でこそ設備が整っていますが、当初はプレハブの小屋がわずか4棟あるだけでした。
南極地域観測隊員は約60名で構成されており、そのうち約40名が南極で越冬するため、基地には常に人がいる状態となります。
国立極地研究所によって昭和基地の現在の状況や、観測成果、オーロラなどのフォトギャラリーも公開されていますので興味があれば見てみてはいかがでしょうか。
南極は雪と氷だけではない
“南極”とは地球上の南極点、もしくは南極点を中心とする南極大陸およびその周辺の島嶼(とうしょ)・海域(南極海)などを含む地域のことです。
1961年6月に発効した南極条約により、南緯60度以南の領有権主張は一部の国が主張を続けていますが凍結されており、軍事利用や核実験なども禁止されています。
南極大陸は地球上で最も寒冷な地域の一つであり、およそ3000万年の間降り積もった雪が溶けずに1000~2000メートルの厚い氷の層となった氷雪(氷床)に覆われ一部の沿岸地区の地衣類を除き、植生はほとんどありません。
このようなことから南極は雪と氷に閉ざされた世界と思われがちですが、実は土壌が全く凍っていない地域もあることをご存知でしょうか。
1901年~1904年に越冬したスコット隊によって発見されたその無雪地帯は“マクマード・ドライバレー”と呼ばれ、南極・ロス海のマクマード湾西側のヴィクトリアランドにある一連の氷河谷群です。
この約4000平方kmに渡る広大な地域は極端に湿度が低く、気温が低くても凍るもの(水分)がないので、大きな岩塊の並ぶところから小石をしきつめたようなところ、さらには砂丘までもが存在し、“南極の砂漠”と呼ばれています。
谷のあちこちに大小さまざまな氷河湖が点在し、その中には塩湖もあります。
これらは通常水があるので凍ってしまうのですが、唯一凍らない湖もあるのです。
1963年12月、ドライバレーにあるドンファン池を調査した日本隊は池の中に白色針状結晶が析出しているのを発見しました。
この結晶を持ち帰り分析した結果、塩化カルシウム六水塩(CaCl2・6H2O)であると判明し、天然に産する鉱物として南極大陸内での初めての発見であり“南極石”と命名されました。
南極石の結晶は10cmにも成長する塩の固まりであり、ドンファン湖はそれほど塩分に富んでいる(海水の約6倍)ので凍ることがないのです。
1969年7月にバンダ基地の越冬隊員が訪れたときも、マイナス54度という低温だったにもかかわらず結氷しておらず、ドライバレー地域でただひとつの不凍結湖であると考えられています。
マクマード・ドライバレーは雪と氷で覆われた大陸の中にある無雪地帯ということで別名“マクマード・オアシス”とも呼ばれ、ナショナルジオグラフィックの日本版サイトには写真もありますので覗いてみてはいかがでしょうか。
とても南極の写真とは思えませんよ。
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