海苔の日
「海苔の日」は702(大宝元)年1月1日(新暦2月6日)に大宝律令が施行され、その中で海苔が産地諸国の物産の一つとして年貢に指定されたことから、1966(昭和41)年に全国海苔貝類漁業協同組合連合会が制定し、翌年から実施しています。
また、この時期に海苔の生産の最盛期を迎えることからも2月6日を記念日としたようです。
全国海苔貝類漁業協同組合連合会では制定以降、毎年記念行事を行っており、各地のデパートやスーパーなどでも特集コーナーが組まれることがあります。
生の海苔を消化できるのは日本人だけ
“海苔”とは紅藻・緑藻・シアノバクテリア(藍藻)などを含む、食用とする藻類の総称で、日本では古くは“紫菜”、“神仙菜”と呼ばれていました。
食品としてそれら藻類を加工した“生海苔”や“板海苔”などが食されており、米飯のおかずや寿司などで重要な材料となっています。
日本語の“のり”はヌラ(ぬるぬるするの意)を語源とするという説がありますがこれには異説も多いようです。
水中の岩石に苔のように着生する藻類全般を表す語で、広義には食用とする紅藻類・藍藻類の総称であり、平安時代末期は“甘海苔”と呼ばれ、この甘海苔を板状に成形した“浅草海苔”が江戸時代以降に広まりました。
海苔はタンパク質、食物繊維、ビタミン、カルシウム、EPA、タウリン、ベーターカロテン、アミノ酸などが豊富に含まれており、栄養に富んでいます。
海外では本来“seaweed”との表記になりますが“weed”自体には“必要のない邪魔な雑草”に近い意味があるので敬遠される傾向があるのでそのまま“nori”で記載されることが多いようです。
中国、韓国、イギリス、ニュージーランドで養殖もされており、1980年代にアメリカでも養殖が試されましたが周辺の海域が海苔の生育に向いていないのか失敗に終わっています。
ただし日本国外では板海苔を見てカーボン紙を連想する人も多く、また“紙を食べているようだ”と嫌がることがあるようで、この理由により海外の巻き寿司はカリフォルニア巻き等のように、米が外側で海苔が内側にあることが多いです。
また“海藻はあくまでも肥料や飼料の類”であるとする人もいる反面、米国などでは栄養面から海苔食文化を見直す動きがあります。
ですが海苔を消化することができるのは実は日本人だけであり、外国人は海苔を食べても消化できずにそのまま排出されるといわれています。
正確には“生の海苔”になりますが、これは日本人が古来から海苔を食べていたことが理由のようです。
海外では海苔が食物として浸透するようになったのはごく最近なのですが、上で述べたように日本人は8世紀には高級品として献上されるなどすでに海苔を食べる文化がありました。
ある海洋性のバクテリアが海苔に含まれる多糖類を分解する酵素を持ち、同じ酵素を持つバクテリアが日本人の腸内にのみ存在することが判明しています。
これは古来の日本人が生の海苔を食していたことによりそのバクテリアを取り込み、“海苔を分解する酵素を生み出す能力”を手に入れたとされています。
隣国の韓国でも海苔は食されますが、これはかつて大日本帝国時代に伝わった文化であり、当時の韓国で食されていたのは全て日本産の海苔でした。
韓国で開発された品種が登場したの2012年とごく最近なのです。
中国やイギリスのウェールズ地方のごく一部などでも食されますが、あくまもで珍味の一種としてであり、その歴史も浅いようです。
ですが、生の海苔は無理でも“焼き海苔”であれば外国人でも消化できその栄養を摂取することができます。
そして海苔に含まれているビタミン類は野菜などと違って熱に強く壊れないのも特徴です。
一見ペラペラで栄養なんてそんなになさそうに見えますが、手巻き寿司とかに使うような焼き海苔を2枚でビタミンA・B1・B2に至っては1日に必要な摂取量をクリアできるだけ含まれており、ビタミンCも豊富なので、酸っぱいのが苦手な方にもぜひオススメです。
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