抹茶の日
「抹茶の日」は茶道で釜をかけて湯をわかす道具「風炉(ふろ)」から「ふ(2)ろ(6)」の語呂合せで、愛知県の西尾市茶業振興協議会が西尾茶創業120年を記念して制定しました。
抹茶アイスの緑色は蚕の糞が原料?
“抹茶”とは緑茶の一種で、碾茶(てんちゃ)を粉末にしたもの、またそれに湯を加え撹拌した飲料で、茶道で飲用として用いられるほか、和菓子、洋菓子、料理の素材として広く用いられるます。
なおこの“碾茶(てんちゃ)”とは蒸し製緑茶の一種で、中国茶の一つである“甜茶(てんちゃ)(植物学上で茶とは違う植物の葉から作られた甘いお茶の総称)”とは全く異なる種類になります。
日本茶業中央会の定める抹茶の定義は“覆い下で栽培された生葉を揉まないで乾燥した碾茶を茶臼で挽いて微粉状に製造したもの”となっていますが、茶臼でなくても粉砕機などの機械で製造したものも抹茶と認めています。
飲料として飲む他、爽やかな苦味は砂糖の甘味と良く馴染み風味が際立つため、菓子の風味付けにも好まれ、和菓子はもちろん、洋菓子にも用いられ、抹茶味のアイスクリームは日本では定番風味の一つです。
日本アイスクリーム協会の調査では1999(平成11)年から2009(平成21)年ではバニラ、チョコレートに次いで第3位の地位を占めているとの結果が出ています。
この抹茶アイスですが抹茶そのもの以外にも、その発色を良くするためにある材料が使われることがあります。
それは“蚕の糞”です。
“蚕の糞”というと聞こえは悪いですが、これは“蚕沙(さんしゃ)”というれっきとした漢方薬の一種なのです。
この蚕沙から緑色の素となる葉緑素を取り出して、色素を安定させるために銅クロロフィルという形にして使用されます。
この場合商品の原材料名のところに『着色料:銅葉緑素』と書かれており、漢方そのものを使用した場合は『桑葉末』、ちゃんと抹茶を使用した場合は『抹茶』と書かれているはずです。
桑の葉だけ食べて育った蚕の糞はクロロフィル(葉緑素)が多く含まれ、身体に害も無いのできちんと認可されたものであり、昔は手洗いや洗顔、歯磨きなどにも使われました。
現在では養蚕農家の減少によってなかなか手に入れる機会は減ってしまい、クロロフィル自体がクロレラやほうれん草から抽出されるケースも多く、合成着色料で代用されたりするようです。
同じように虫から抽出した色素ではイチゴ味などの赤が有名で、こちらはサボテンに寄生する“エンジ虫”が原料となっています。
蚕沙は今では高級品となり安価なものにはなかなか使われなくなってきていますので、もしかしたら抹茶の緑の代用品だったにもかかわらず、本来の抹茶よりも高価なものとなってしまうかもしれませんね。
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