点字ブロックの日
「点字ブロックの日」は1967年のこの日に岡山県岡山市の岡山盲学校の近くの国道2号・原尾島交差点に世界初の点字ブロックが敷設されたことが由来で、2010年に岡山県視覚障害者協会が制定しました。
「点字ブロックの安全性の確保と発展」をその目的としています。
点字ブロックは日本で生まれたもの
“点字ブロック”とは視覚障がい者に歩行に必要な情報を提供し安全に誘導するため路面や床面に敷設されるブロックです。
日本で誕生したもので1993年に公布された福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律において“視覚障害者誘導用ブロック”の名で定義されました。
通称で点字ブロックという名称が浸透していますが、通常の意味での点字は使われていません。
安全交通試験研究センターの初代理事長である三宅精一氏が友人の失明をきっかけに1965年に発案・発明したもので、“点字ブロック”と命名し1967年3月18日、岡山県立岡山盲学校に近い旧国道2号の原尾島交差点の横断歩道周辺に計230枚が世界で初めて敷設されました。
その後点字ブロックは岡山・大阪・京都などから徐々に広まり、当時の大阪府立盲学校の教職員からの陳情で1970年に国鉄駅で初めて阪和線我孫子町駅のプラットホームに敷設されます。
また、東京都道路局も導入を決定したことで日本全国に普及し、この頃からブロックは弱視者に配慮して黄色が多く用いられるようになりました。
当初、点字ブロックは点状の1種類しかありませんでしたが、1974年に旧建設省建設技術研究所の補助を受けて“道路における盲人の歩行誘導システム等に関する研究委員会”が設置され、線状のブロックが新たに考案されたことにより、点状のブロックが警告・注意喚起、線状のブロックが誘導・案内を意味するというシステムが出来上がります。
しかし、ブロックの普及とともに点状と線状でも形状が異なるものが乱立し、1997年には点状と線状あわせて44種類が確認されるなど紛らわしさが問題となりました。
1990年代の終わりから旧通産省製品評価技術センターが最適形状の検討を行い、2001年に日本工業規格(JIS)として規格化されます。
また、点字ブロックはその有用性から多くの国々で普及しましたが、国ごとに形状や敷設方法が異なることが問題となり2012年に初めての国際規格ISO23599が発行されます。
普及したことは良いことに違いはないのですが、新たな問題も浮上しているようです。
ブロックの突起が段差となって高齢者など足腰の弱い人がつまづきやすくなり、車椅子の障害になることや、ブロック自体が雨天時や氷結時に歩行者が滑りやすいなどの問題点も指摘されており、改善などが望まれています。
駅のプラットホームで滑り止めを点字ブロックと間違えて、その上を歩いてしまう人もいるようです。
残念ながら視覚障がい者ではない者の中には視覚障がいに無理解・無頓着な人もおり、点字ブロックの上に商品や手荷物が置かれたり、駐車・駐輪されていることも多く、視覚障がい者がぶつかったり、白杖で突き倒すトラブルも多い発生しています。
点字ブロック周辺で工事を実施する際、点字ブロック上に工事用の柵などが無配慮に置かれるケースもあり、これが元で視覚障害者の白杖が引っ掛かって負傷したケースも報告されています。
日本で生まれた点字ブロックは今では世界に浸透し、視覚に障がいをもつ人々の助けとなっています。
きちんと意味があって敷設されているものですので、障がいをもっている人でも住みやすい社会を実現するために、点字ブロック上にものを置いたり、むやみに塞いだりするのは絶対にやめておきましょう。
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