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 車いすテニスについて 

 車いすテニス(wheelchair tennis)は、車いすに乗って行なうテニスで障害者スポーツの1つであり、2バウンドでの返球が認められている以外、コートの大きさや使う道具などはテニスと変わりません。そのため障害者は車いすを用いないプレイヤーとともに競技することが可能です。テニスの技術ばかりではなく、車いすを素早く正確にコントロールするチェアワーク(車いすによるフットワーク)が勝敗の鍵となります。

 障害者がレジャーとして楽しむテニスはそれまでにも存在していましたが、競技として確立されたのは1976年で1980年代前半より国際化が進み、後半には競技人口が急激に増えました。1988年のソウルパラリンピックでパラリンピックの公開競技となり、1992年のバルセロナパラリンピックより正式競技として行なわれています。2000年代にはテニスの4大大会に車いす部門が創設され、それぞれの大会期間中に同じ会場で試合が開催されます。

 車いすテニスの大会にもその規模によって上から順に、グランドスラム、スーパーシリーズ、マスターズ、ITF1、ITF2、ITF3、フューチャーズの格付けがあり、飯塚国際車いすテニス大会(Japan Open)は1985年に第1回を開催した歴史ある大会なのです。(2004年にスーパーシリーズに格付けされています。)

 天皇杯・皇后杯の下賜(かし)について 

平成30年3月に発表されました。

本来は天皇賜杯といい宮内庁に認められた競技大会を運営する団体に与えられるもので、障害者スポーツとしては初めてのことです。

以下、宮内庁HPより引用。

宮内庁HP→http://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/show/24

 日本人選手の活躍 

テニスといえば錦織圭選手の大活躍を思い出す人が多いと思います。しかし、車いすテニスにも日本人選手が活躍していることをご存知でしょうか。代表的な2人を紹介します。

国枝 慎吾選手(1984年2月21日生)国枝慎吾選手

 ユニクロ所属のプロの車いすテニス選手です。

 9歳のときに脊髄腫瘍による下半身麻痺のため車いすの生活となります。小学校6年生から母親の薦めで車いすテニスを始め、高校1年生で初めての海外遠征を経験し17歳から本格的に競技に取り組み始めます。

 大学に進学後の2003年にワールドチームカップ(1985年から始まった車いすテニスの国別対抗団体戦)に出場し初優勝に大きく貢献。同年のNEC全日本選抜車いすテニス選手権大会の男子シングルスで連覇を続けていた斎田悟司選手を破って初優勝を果たします。

●主な大会の戦績●

2004年2006年2007年2008年2009年2010年2015年2016年2018年

・アテネパラリンピックにて斎田悟司選手と組んだダブルスで金メダル。

・フェスピック(アジアおよび太平洋地域の障害者スポーツの総合競技大会)にて金メダル、同年初の世界ランキング1位となる。

・史上初の車いすテニス男子シングルスのグランドスラムを達成、国際テニス連盟(ITF)により同年のITF世界チャンピオンに選出される。

・北京パラリンピックにて男子シングルスで金メダル、斎田悟司選手と組んだダブルスで銅メダルを獲得。

・日本の車いすテニス選手としては初めてプロに転向。

・ローレウス世界スポーツ賞の年間最優秀賞障害者選手に日本人で初めてノミネートされる。

・車いすテニス初のシングルス100連勝を達成。

・全豪オープンにてシングルス3連覇8回目の優勝、ダブルス3連覇9回目の優勝。

・全仏オープンにてシングルス2連覇6回目の優勝、ダブルス2年ぶり6回目の優勝。このダブルスで自身初のグランドスラム4大大会連続優勝を果たす。

・全米オープンにてシングルス2連覇6回目の優勝。

・リオパラリンピックにてシングルスベスト8、ダブルス銅メダル。

・全豪オープンにてシングルス3年ぶり9度目の優勝。

 車いすテニス界では知らないものはいない、と言われるほどの圧倒的な強さをもつ国枝選手、錦織選手が活躍する前にある日本人記者が「なぜ日本から世界的なテニスプレーヤーが登場しないのか」と問われたフェデラーが「何を言っているんだ、日本には国枝慎吾がいるじゃないか」と答えるほどの選手です。

 一時期怪我と手術に悩まされていましたが今後の活躍が期待されます。

 女子も負けていません。

上地 結衣選手(1994年4月24日生)上地結衣選手

 エイベックス・グループ・ホールディングス所属のプロの車いすテニス選手です。

 先天性の潜在性二分脊椎症で、元々は装具をつけての歩行はできていたが成長とともに歩行困難になります。

 小学校4年の終わり頃から車椅子バスケットボールを始め、そのメンバーの紹介により11歳から車いすテニスを始めます。

 14歳の時に史上最年少で日本ランキング1位となりました。

●主な大会の戦績●

2008年2012年2013年2014年2015年2016年2017年2018年

・NEC全日本選抜車いすテニス選手権大会で初優勝。2017年に10連覇を達成。

・ピースカップにて初優勝。2011年から2014年まで3連覇。

・高校3年生でロンドンパラリンピックに参加。シングルス・ダブルスでベスト8。

・NEC車いすテニスマスターズにてシングルス初優勝(オランダ人以外では初)

 男子シングルスの国枝慎吾選手と史上初の日本人男女優勝となる。

・全豪オープンにてダブルス初優勝。

・仏オープンにてシングルス・ダブルス優勝。

・ウィンブルドン(ダブルスのみの開催)にて優勝。

・全米オープンにてシングルス・ダブルス優勝。

 この年、女子車いすテニスダブルスで史上3組目となる年間グランドスラムを達成。女子車いす史上6人目の生涯グランドスラム制覇であり、21歳135日での達成は「女子車いすテニスにおける最年少での年間グランドスラム」としてギネス世界記録に認定されている。

・全豪オープンにてダブルス2連覇。

・全仏オープンにてシングルス準優勝、ダブルスは決勝で敗れグランドスラムダブルス連続優勝は5でストップ。

・全豪オープンにてダブルス3連覇。

・全仏オープンにてダブルス2年ぶりの優勝。

・ウィンブルドンにてダブルス3連覇。

・リオパラリンピックにてシングルス銅メダル。

・全豪オープンにてシングルス初優勝。

・ウィンブルドンにてダブルス4連覇。

・全豪オープンにてダブルス2年ぶり4回目の優勝。

 車いすテニスでは他にも多くの日本人選手が活躍しています。車いすテニスは決してマイナーな競技ではありません。相撲や柔道などが外国人選手に乗っ取られつつある現在、車いすテニスは日本のスポーツが復活するひとつの兆しとなるでしょう。

 開催概要 

 開催期間   2018年5月14日(月)~5月19日(土)

 開催場所   福岡県飯塚市仁保 筑豊ハイツテニスコート・県営緑地テニスコート

 備  考   公式HP→http://japanopen-tennis.com/

今後新しい情報が追加され次第、更新していきます。