畳の日

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「畳の日」はい草の緑色から制定当時「みどりの日」であった4月29日と、「環境衛生週間」の始りの日であり「清掃の日」である9月24日を由来として、全国畳産業振興会が制定しました。

全国畳産業振興会によるとこの日を「畳の持つ住宅材としての素晴らしさや、敷物としての優れた点をアピールする」という事を目的としています。

畳返しは実際にあったのか

“畳”とは日本で利用されている伝統的な床材で、芯材になる板状の畳床(たたみどこ)の表面をい草を編み込んで出来た敷物状の畳表(たたみおもて)でくるんで作るもので、縁には畳表を止める為と装飾を兼ねて畳縁(たたみべり)と呼ばれる帯状の布を縫い付けますが、一部には縁の無い畳もあります。

畳には縦横比が2:1になっている長方形の一畳サイズと、これを横半分にした正方形の半畳サイズの2種類があり、大きさは3尺×6尺(910mm×1820mm)のものが基本となりますが、部屋の寸法に合わせて注文生産される場合が一般的なのでサイズは一定していません。

一般的な規格としては、京間(本間)、中京間(三六間)、江戸間(関東間、田舎間、五八間)、団地間(公団サイズ、五六間)の4種類が有名で、この他にも地域ごとに様々な規格が存在するそうです。

畳は、世界に類がない日本固有の文化です。

畳の原点は古代から存在し、古代の畳は莚(むしろ)・茣蓙(ござ)・菰(こも)などの薄い敷物の総称であり、使用しないときは畳んで部屋の隅に置いたことから、動詞である“タタム”が名詞化して“タタミ”になったのが畳の語源とされます。

現代の畳に近づくのは平安時代に入ってからであり、厚みが加わるとともに部屋に据え置いて使うようになり、また大きさの規格化が進められ、延喜式では階級により大きさや縁の色が定められている。

平安時代までは板床に敷くクッションの一種のような感覚で使われていたようですが、室町時代に入ると書院造の登場によって部屋全体に畳を敷く様式があらわれ、移動されることがなくなった畳はより分厚く重くなり、茶道の拡大に伴い正座と共に普及していきました。

江戸時代に入ると、畳そのものが重要な建築物の要素として見なされるようになり、城や屋敷の改修工事を司る役職として畳奉行が任命される例も見られます。

近年では生活の洋風化に伴い畳を敷き詰めるのではなく、平安時代のように薄い畳をクッションとして1枚から数枚程度板間に置く、という形が復活しつつあります。

よく漫画や時代劇などで畳をひっくり返して飛び道具などを防ぐ、いわゆる“畳返し”という技をご存知でしょうか。

刺客に急に狙われた時に足元にあるただの畳でその攻撃を防ぐというのはなかなか格好いいですよね。

ですがこれはあくまでも架空の技で、実際に行われたことはほとんどなかったとされています。

というのも昔の畳は今の畳ほど軽くなく1畳で30kg以上はあったとされており、漫画みたいに手で叩いた程度でひっくり返すのは無理なのでした。

せいぜい敵が来る前に畳の縁に刀(鞘)を刺して起こし、あらかじめ防御に使う程度のものだったようです。

また、昔の日本の家屋ではかなりの金持ちでも畳は1畳かせいぜい2畳しかなく、板張りの大きな部屋に畳が座布団みたいに上座にポツンと置いてあってそこに高貴な人が座布団を乗せて座っていたのです。

よく時代劇などで大名屋敷なんかでも家臣の部屋が畳敷きだったりしますが、あれはただの演出でそんな光景は江戸城ぐらいでしかあり得ませんでした。

緊急時に畳を起こしている暇があればその場から逃げたほうが早く、そもそも都合よく畳のある場所で襲われることも少なかったのではないでしょうか。

少し残念な気もしますが忍法しかり魔法しかり、多少は非現実的なことのほうが受けが良いので今日まで残ってきたと考えられます。

演出としてはカッコイイので、演劇や自作映画を撮る時は採用してみてはどうでしょう。


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