骨董の日
「骨董の日」は「骨董集」の作者である山東京伝が「骨董集 巻之三」に記した日付が9月25日であったことが由来で、骨董・美術品のオークションなどを手掛けている株式会社古裂會によって制定された記念日となります。
古裂會によるとこの日を「日本の古くから伝わる文化である骨董品を、より多くの人に愛してもらうきっかけの日にすること<」を目的としているそうです。
骨董の意味
“骨董品”とは希少価値のある古美術や古道具のことで、フランス語ではアンティーク(Antique)と呼ばれ、語源はラテン語のアンティクウス(Antiquus、古い)からきています。
ここから派生した用法として、古いだけで実際の役には立たない時代遅れのもの、がらくたを指して“骨董品”と呼ぶこともあります。
骨董品として重要なのはあくまで“古いこと”と“希少価値”であり、物品のジャンルは問わず食器や文具といった日用品、玩具、貴金属や宝石を含む装飾品、衣類、家具など、多岐にわたるもので、中国では古より“乱世的金銀 太平時的骨董”と言われ、平和な世の中に於いて価値のあるものとして認識されていました。
文化遺産の保護などを目的として骨董品の輸出を規制している国もあり、そのような国から海外へ骨董品を持ち出す場合は違法となるケースもあります。
復刻版や骨董に似せて製造された物は“レトロ”と区別されるようです。
日本語でいうところの骨董には、もともとは“希少価値のある”、“アンティーク”的な意味があったわけではありません。
日本国語大辞典によれば、“希少価値や美術的な価値などのある古美術品や古道具類”という現在一般的に使われる意味の一方で、“古いだけで価値がなく役にたたなくなったもの”とも説明されており、正反対の意味をそれぞれ含有しています。
大言海によれば江戸時代の骨董とはコトコト、ゴタゴタなどと同じ意味を持つ擬声語だったとされており、ここから派生して骨董飯(こっとうはん、現在で言う五目飯)・骨董汁(こっとうじる、雑多な具を入れた汁)・骨董箱(こっとうばこ、雑多な物を収めておく箱)という言葉がありました。
一方、漢字源によれば、“董”という漢字は“しんになるたいせつなもの。『骨董』”とあり、“骨”という漢字は“ほね。物事を組みたてるしんになるもの。『骨子』”とあり、雑多なガタクタという意味が時代を経て希少価値のある古いもの、という意味が付与されていった歴史を持ちます。
現在生産され流通する商品ではないことから骨董品に定価は存在しないのですが、取扱業者間で自然に形成された相場価格はあるようです。
それに年代や希少性、作者などに対して見いだされた価値、当該物品の保存状態を加味して価格が決定され、相場価格自体に希少性や作者に対する価値が織り込まれている場合もあります。
テレビショーで骨董品の真贋が取りざたされることがあるように、骨董はその偽物、いわゆる贋作の問題と切り離すことができません。
ある骨董品が、手間を掛けて複製した場合の費用と比べて著しく高価なプレミア性を生んでいる場合、そこには不正な利益を得ようとする商品がまぎれ込む可能性は高くなります。
そうした真贋の見定めのために存在するのが骨董屋という職業なのですが、高度な技術をもって偽造されたものは非常に巧妙で、専門家の目すら欺く例も少なくありません。
かつては骨董屋どうしで、相手の技量を測る目的でそうした贋作を取引することもあったと言われており、経験の足りない骨董屋はまんまと贋作をつかまされ、場合によってはそれがそのまま本物として市場に流出したようです。
よく骨董が趣味であるという話も耳にしますが、一般に掘り出し物といわれる誤認などにより相場を著しく下回る価格で販売される物品を見つけた時の喜びを想像するとわからなくもない気がしますね。
ですが間違って贋作をつかまされないよう、勉強しておくことは大事である気もします。
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