東京タワー完成の日
「東京タワー完成の日」は1958(昭和33)年のこの日に東京・芝公園に東京タワーが完成し、完工式が行われたことが由来です。
高さ333mでパリのエッフェル塔より13m高く当時世界一の高さの建造物となり、現在でも世界で最も高い自立鉄塔になります。
東京タワーの素材には戦車が使われている
“東京タワー”とは東京都港区芝公園にある総合電波塔の愛称で、東京のシンボル・観光名所として知られています。
東京タワーが建設される以前は放送事業者各社局は個々に高さ153〜177mの電波塔を建設、自局の塔から放送を行っていましたが、これらの高さだと放送電波は半径70km程度しか届かず、100kmも離れると満足に電波を受信することができませんでした。
また、受信アンテナには指向性があるため、チャンネルを変える毎にアンテナの向きを各電波塔の方向に変えなければいけないという不便も生じました。
さらに、鉄塔の乱立というのは都市景観においても好ましい状況ではなく、関係者の中では電波塔を一本化する総合電波塔を求める機運が高まっているところ、放送事業の将来性に着目した実業家らによって計画がスタートします。
他の計画案もありましたが、高さ300mを超える案は東京タワーのみで、次に高いものは200m級であり放送事業者の既存の限られた土地を利用するために展望台のないスリムなものばかりでした。
東京タワーの案ではパリのエッフェル塔を超える世界最大の塔を造りそこに展望台を設けて集客すれば建設費は10年で元が取れる、と考えられたのです。
そして着工から1年3か月後(543日間)の1958年12月23日に東京タワーは完成しました。
合計約4,000トンもの鋼材が使用されましたが、その中でも特別展望台から上の部分に使用されている鉄材の原料には朝鮮戦争後にスクラップされたアメリカ軍の戦車が使われています。
これは当時の日本では良質の鋼材に恵まれず、またアメリカにとっても旧式戦車を売却して新型戦車を製造した方がメリットが大きかったためです。
地上デジタル放送に切り替わる際に東京タワーの高さでは受信電波障害の問題が解決できないことから、新しい電波塔の建設が求められ、これがあの“東京スカイツリー”になります。
ですが東京タワーは使用されなくなったわけではなく、スカイツリーが災害時などに使用できなくなった場合の予備電波塔として使用されることになっており、また観光地としても未だ人気の場所となっています。
タワーは地方や海外からの観光客が多く利用し、地元の東京都民は“東京タワーは『おのぼりさん』が行くところ”と登ったことがないという人もいるそうです。
そのため日本電波塔株式会社では社員の意識改革を行い若手デザイナーを起用し、イルミネーションなどを企画して来塔者数を増やし、一時期は落ち込んでいたものの現在でも年間300万人ほどが来塔しています。
展望台の高さなどスカイツリーの方が人気があるのかもしれませんが、レトロな雰囲気を味わえるという点では東京タワーも負けていませんので、東京を訪れた際はぜひ両方とも登ってみましょう。
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