清掃の日

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「清掃の日」は1971(昭和46)年のこの日に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法、廃掃法)が施行されたことから、環境省が実施しています(2000年までは厚生省)。

この「清掃の日」を起点として10月1日までの一週間を「環境衛生週間」とし、廃棄物をできる限り減らして資源再利用に役立てることを目的としているそうです。

全国的にゴミの清掃の徹底や清掃の保持、清掃に対する住民意識の啓発、ゴミのリユースやリサイクルなどの推進、産業廃棄物の減量化や不法投棄の防止の推進、といった活動が行われています。

生徒による学校清掃は実は少数派

“清掃”とは家事労働のうちの一つで、掃いたり拭いたりすることによってゴミやシミなどの汚れを取りのぞくことであり、掃除とも言われます。

清掃の基本的な目的はちり・ほこり・しみ等を除去することです。

基本的にはほうき、塵取り、ハタキ、モップ、雑巾、ブラシなどを用いて行われ、また現代では電気掃除機も用いられる他、最近ではロボット掃除機も用いられることが増えてきました。

なお、ちり・ほこり・しみの主な原因は、人間、ペット、観葉植物などやその活動であり、また衣服・カーテン・カーペット類の劣化による繊維ごみもあります。

人やペットの体毛、皮脂、汗、糞尿、また食品の残滓やハネ、他にもインク類のハネこぼれや子供の落書き、区域外から持ち込まれたり舞い込んだりした土埃、粉塵、花粉なども原因の一つです。

ちり・ほこり・しみ等は、ダニ・ノミ・雑菌類の繁殖培地となり、虫刺され、かぶれ、喘息や、各種炎症・感染症の原因となるほか、カビの発生、腐敗等により悪臭の原因や什器類の劣化の原因となります。

地方によっては蚊の発生がマラリアなどの深刻な感染症の原因となるため、観葉植物用の潅水容器、屋外の雨どいや排水設備、防火水槽、エアコン室外機などに溜まった雨水などにボウフラが発生しないよう、とりわけ注意が必要です。

電気まわりの汚れ・粉塵などは絶縁不良、トラッキングを引き起こし火災の原因となり、コンピュータやテレビ、換気扇など電気製品、作業機械や工作機械などが粉塵に汚染された状態で放置されていると排熱不良や稼動部の消耗、咬合不良などにより故障の原因となるのでこまめに掃除を行う必要があります。

日本の初等教育、中等教育の学校では教育の一環として清掃が行われることはご存知だと思いますが、実は世界的に見れば実は少数派なのです。

日本人には馴染み深い学校清掃ですが、実は世界の国々では生徒が掃除を行っている国よりもプロフェッショナル(Janitors:掃除を受け持つ用務員)が掃除を担当する国の方が多いとのデータもあります。

生徒が清掃を行っている国では日本の様に使っている場所を綺麗にする目的以外で、その中にある教育的効果をも求めている国は少ないと言われていますが、一部ではJanitorの人件費を削減するために生徒が清掃を行っているところもあるようです。

アメリカを例にとってみると大部分の学校掃除は、Janitorの仕事であり、生徒たちは学校の掃除 をすることはありません。

アメリカには、”Janitorは、学生が本分とする勉学に集中するために存在し、もっとも煩わしく感じる清掃いう重労働を受け 持ってくれる。彼らの存在があるために学生は勉学にいそしむことができ、将来、社会に貢献する人間となる教養を得る”という考えが根本にあるために、そもそも生徒や学生には自分で掃除をするという考えはないのです。

またアメリカの企業でも清掃は基本的に清掃業者や清掃の専任者が行いますが、アメリカは契約社会であり漠然と会社の従業員になるのではなく、具体的な業務が指定されて雇用契約が結ばれます。

あらかじめ交わされる雇用契約書に“job description”などとして、行う職務がかなり具体的に列挙されており、一般的に“掃除”などというjobは書かれておらず、その契約書に書かれていないことを従業員にさせては重大な契約違反になるからです。

もしも経営者が従業員に対して契約書に書かれていないようなオフィス全体や工場全体の掃除に参加することを強要したら、契約違反として裁判を起こされても当然だと見なされます。

ただし、デスクワークの従業員が自分専用のデスク上の軽い掃除程度は行うことは一般的ですが、デスクワークの契約で雇用されている従業員が周囲の床の掃除機がけやモップがけは基本的に行いません。

“掃除をする人の仕事を取ってはいけない”と言われて育ったという背景もあります。

かといって欧米諸国が清掃に対する考えが無頓着というわけではなく、昨今はそれが与える影響を危惧する意見が上がっているようです。

モラルの教育という観点から生徒による学校清掃を導入すべきだという意見も出ています。

日本では当たり前にやっている生徒による清掃が海外で紹介されたとき、世界は大変驚いたそうです。

これによって育まれたモラルが災害の時などに発揮され、無秩序にならないのは日本人の誇りとなっていることは大変すばらしいことなのかもしれませんね。


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