おしぼりの日
「おしぼりの日」は10月は「て(ten)」の語呂合せと10本の指から、29日は「ふ(2)く(9)」(拭く)の語呂合せで、「手を拭く」の意味であることが由来で、2004(平成16)年に全国おしぼり協同組合連合会が制定しました。
全国おしぼり協同組合連合会は環境に配慮をしている団体であるため、使い捨ての紙のおしぼりではなく地球環境にやさしい布製の「貸おしぼりのレンタル」を行っています。
世界に広まりつつあるおしぼり
“おしぼり”とは、日本では客向けに飲食店などで使用される、手を拭く道具で“(お)てふき”ともいいます。
通常はひらがなで表記し、漢字を交ぜた“お絞り”、“御絞り”と書くことはあまりないようです。
おしぼりの歴史は古く“古事記”や“源氏物語”が書かれた時代まで遡ると考えられており、前身となっているのはお公家さんが客人を家に招く際に提供した“濡れた布”です。
江戸時代になると木綿の手ぬぐいが普及し、旅籠(はたご)と呼ばれた宿屋の玄関には旅人のために水を張った桶と手ぬぐいが用意されるようなり、客は手ぬぐいを桶の水に浸してしぼり汚れた手や足を拭い、この“しぼる”という行為がおしぼりの語源になっていると言われています。
戦後復興で日本に少しずつ飲食店が増えていくと、戦時中の混乱で消えかけていたおしぼりの習慣が再び復活し始めます。
当時のおしぼりは自店で洗い、丸めて自家製のおしぼりとして提供していましたが、客数が増えると手作業では追いつかなくなり“おしぼりを貸す”というビジネスが生まれました。
最初は自家製の洗濯機を使い、1本1本手で巻いて飲食店などに卸していましたが、その後外食産業がさらに発展したことで、業者は量産体制を備えるまでになり、貸しおしぼり業が一つの立派なビジネスとして確立されることになります。
貸しおしぼりには衛生面で非常に厳しい基準が設けられており、異色・変色がないことはもちろん、大腸菌や黄色ブドウ球菌が検出されないか、おしぼり1枚あたり10万個という数値(一般細菌数)を超えていないか等の衛生基準が厚生労働省より設定されています。
この指導基準に基づき、全国おしぼり協同組合連合会は管理基準の“衛生マーク”を制定し、組合に加盟している約300社のおしぼりは必ずこのマークを表示する決まりです。
おしぼりの平均レンタル回数(耐久性)はおよそ25回とされており、利用不可能になったおしぼりはウエス(工場などで使用される油拭き)やダスターとして専門の業者によりリサイクルされることも多いです。
日本発祥のこのおしぼりは、今や全世界に広がりつつあります。
というのも1959年より日本航空は国際線で離陸前の搭乗客におしぼりを提供し始め、このサービスが好評で日本以外の航空会社でも国際線で熱いおしぼりを出すようになり、現在では離陸前におしぼりを提供するサービスは珍しくないものとなりました。
また、海外の雑誌にも取り上げられるほど、日本以外の各国に普及し始めており、中国では比較的普及が早く、高級料理店ではおしぼりが登場することも少なくないようです。
ナプキンが定着している欧米では今の所そこまで定着はしていませんが、すでに販売実績もあり提供が進んでいます。
最近では環境への意識の高まりから、持ち歩くことができる“マイおしぼり”なども販売されていますので、興味があれば一つや二つ持っておくのも良いかもしれませんね。
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