たまごかけごはんの日
「たまごかけごはんの日」は2005(平成17)年のこの日に第1回日本たまごかけごはんシンポジウムが開催されたことから、島根県雲南市の「日本たまごかけごはん楽会」が制定しました。
現在は「日本たまごかけごはん楽会」という名称から「日本たまごかけごはんシンポジウム実行委員会」に改称されているそうです。
日本たまごかけごはんシンポジウム実行委員会によると「たまごかけごはんをキーワードとして日本の古き良き食文化やふるさと、または家族愛などを考えるきっかけを作る」という事を目的としています。
また、この時期には品質の良い卵や新米が出回る時期であることから、たまごかけごはんを食べるのにはぴったりの時期でもあります。
たまごかけごはんの歴史
“たまごかけごはん”とは、ご飯に非加熱の鶏卵を掛けた料理で、調味料として醤油などが使用されます。
卵を生のまま用いること、主食のご飯と混ぜて食べることなどから日本特有の食文化とされているようです。
古来より日本人が食する動物性の食品は魚介類が中心であり、仏教の不殺生戒の影響(本来の意味とは違う形で)と、稲の神聖視によって肉が穢れとみなされたことの影響によって、獣肉や鳥肉の摂取は非常に稀でした。
その後家畜化された鶏は弥生時代に豚とともに日本列島へ伝来しますが、天武天皇・聖武天皇の代には鶏をはじめとする殺生禁断令の詔が発せられ、鶏卵も避けるべきとされたようです。
戦国時代から江戸時代にかけて西洋人が来航した西日本では肉食とともに卵を食する文化が伝来し、カステラやボーロなど鶏卵を使用した南蛮菓子も伝来しました。
江戸後期の天保9年(1838年)には鍋島藩の『御次日記』において、客人に饗応された献立のなかに“御丼 生玉子”が見られます。
近代に入った1877年頃、日本初の従軍記者として活躍し、その後も数々の先駆的な業績を残した岸田吟香(1833年〜1905年)が卵かけご飯を食べた日本で初めての人物とされ、周囲に卵かけご飯を勧めたとされています。
その後の第二次世界大戦後の食糧難の時期は鶏卵は希少品となったものの、昭和30年以降卵が庶民の味となってからは、味や栄養面で注目され食卓の人気者となりました。
世界各地域では卵を食す場合は完全に火を通した調理法が一般的であり、日本以外の文化圏で育った人にとって、生卵を食する習慣は大きなカルチャーショックであり、時にはゲテモノ食と捉えられる可能性もあります。
近年では卵かけご飯に最適化するように醤油をベースに昆布や鰹節のうま味を加え、卵との調和を向上させるために甘味を加えた“卵かけご飯専用醤油”が開発され、2000年代以降に数十社から商品化・市販され、メーカーによっては“関東風”、“関西風”など細分化もされているものも販売されているようです。
たまごかけごはん専門の店なんてのも存在しますので、興味があれば訪ねてみてはいかがでしょうか。
昨日は何の日?
10月29日
今日は何の日?
10月30日
明日は何の日?
10月31日
・天才の日