紅茶の日
「紅茶の日」は1791(寛政3)年のこの日に暴風雨のためロシアに漂着した大黒屋光太夫が、ロシアの当時の首都ペテルブルク(現在のサンクトペテルブルク)で女帝エカテリーナの茶会に招かれ、日本人として初めて紅茶を飲んだとされていることから、1983(昭和58)年に日本紅茶協会が制定しました。
紅茶が日本に初めて輸入されたのは1880年代でしたが、日本には緑茶があるためすぐには浸透しませんでした。
1952(昭和37)年に日本で初めての紅茶専門店「MUSICA」が大阪に開店し、東京都内には1974(昭和49)年に初めて紅茶専門店ができたことなどから徐々に定着していったようです。
ロイヤルミルクティーは日本オリジナルの紅茶飲料
“紅茶”とは摘み取った茶の葉と芽を萎凋(乾燥)、もみ込んで完全発酵させ乾燥させた茶葉のことで、それをポットに入れ、沸騰した湯をその上に注いで抽出した飲料です。
なお、ここでいう発酵とは微生物による発酵ではなく、茶の葉に最初から含まれている酸化酵素による酸化発酵のことになります。
なお、緑茶は未発酵の茶葉、烏龍茶は半発酵の茶葉を使用したもので、茶葉自体は同じものになります。
ヨーロッパで多く飲用され、世界で最も頻繁に紅茶を飲むと言われるイギリスでは朝昼晩の食事だけでなく、起床時、午前午後の休憩にもお茶を楽しむため、茶器、洋菓子なども発達し、洗練されていきました。
なお、紅茶の文化は18世紀にアイルランドに伝わり、2008年時点で国民一人当たりの消費量ではアイルランドがイギリスを抜いて世界一となっています。
日本語の紅茶の語源はその抽出液の水色(すいしょく)から、また、英語では“black tea”といい、こちらはその茶葉の色に由来しています。
世界中で様々な形で紅茶は楽しまれています。
イギリスでは紅茶はイギリス文化を代表する飲料とされ多くの国民が日常的に飲むものです。
英国の家庭では来客にまず紅茶を勧める事がよいマナーとされ、客はティーのおかわりを勧められた場合断ってはならない風習があり、1日に5〜6杯以上飲むことも多いです。
アフタヌーン・ティーなどが有名ですが、他にもベッド・ティー(アーリー・ティー)と呼ばれる起き抜けに紅茶を飲む習慣があります。
イギリス軍の携帯食料であるレーションにはティーバッグが付属していることからも、いかに紅茶が身近なものであるかが分かりますね。
インドでは植民地時代にイギリスの影響を受けて独自の喫茶文化が発達し、チャイと呼ばれる茶葉・牛乳・砂糖・スパイスを濃く煮出したミルクティーを飲む習慣があります。
またインドは紅茶の代表的な産地としても有名です。
ロシアでも紅茶はイギリスと同じくらい愛飲されており、いつでも紅茶を飲めるように紅茶専用湯沸かし器にお湯を常備しておくほどだそうです。
ですが英国式と違い香りはあまり重視されず、色が濃く出て、苦味、渋みが少なく伸びの良い茶葉が好まれます。
一人分ずつ供されたジャムをスプーンですくって舐めながら紅茶を飲むのが作法とされていますが、これは寒い地方で紅茶にジャムを入れると茶の温度が下がり、体を温めるのに適さなくなってしまう事が理由の一つです。
日本において一般に“ロシアン・ティー”と言えば紅茶に直接ジャムを加えた物とされていますが、これはロシアと比べて比較的温暖なウクライナやポーランドの習慣になります。
日本ではよく“ロイヤルミルクティー”といういかにも英国の王室で好まれてそうなネーミングがされたりしていますが、これは和製英語であって海外では実は通用しません。
ミルクで茶葉を煮出すこのロイヤルミルクティーは、むしろインドなどで飲まれる“チャイ”に近いもので、英語では“インディアンティー”と呼ばれ特に区別はされていないそうです。
紅茶に含まれる紅茶ポリフェノールに風邪・インフルエンザに対する有効性があるとして注目されており、日常的に飲用することに加え、紅茶を用いてうがいを行うことも予防に有効といいます。
この時期は寒くなるので、普段とは違った作法で紅茶を楽しみつつ風邪を予防してみるのも良いかもしれませんね。
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