OLの日
「OLの日」は1963(昭和38)年のこの日に初めて「OL」という言葉が女性週刊誌「女性自身」11月25日号に載ったことから、1994(平成6)年に働く女性の異業種間交流サークル「OLネットワークシステム」が制定しました。
以前は職場で働く女性のことを「BG(business girl)」と呼んでいましたが、この言葉がアメリカの隠語で「商売女・娼婦」という意味があることが判明し、1963年9月12日にNHKが放送禁止用語とします。
これに代る言葉を「女性自身」が募集し、「OL(office lady)」という言葉を1963年11月25日発売の号から使い始めたのです。
公募で決められた“OL”は実は1位ではなかった
“OL”とは“Office Lady(オフィス・レディ)”の略で、“会社勤めの女性”や“通勤する女性”を意味する和製英語です。
OLの定義について、国語辞典等の語釈は“女性事務員”としているものが大半であり、そのイメージとして“補助的業務を担当する一般職の若い女性社員”を指すとされることが多いようですが、実際には職種・年齢を問わず女性会社員全般を表す語として使用されることの方が一般的です。
当初から意味を“事務や補助的な業務”、“一般職”、“若い女性”に限定したものではないはずなのですが、そのようなイメージが少なからず定着してしまったため、2000年代以降では男女共同参画の観点から使用を控えるよう勧めている自治体等もあります。
元々は日本で作られた言葉ですが、日本文化の影響を受けている香港や台湾においても使われることがあるようです。
この“オフィス・レディ”という名称は上記の通り“ビジネス・ガール”の代替語として公募されたもので、当然1位をとったから採用されたと思われがちですが実は“オフィス・レディ”は実は7位だったことが判明します。
実際の1位は“OG(オフィス・ガール)”だった事実が後に明かされ、これは当時の編集長である櫻井秀勲氏が“職場の男性上司が『ウチの女の子』と呼ぶのに重なる『ガール』が気に入らなかった。高卒から短大、大卒と、いずれ女性の学歴も上がっていくのに合わなくなると思っていました”という私情から強引に“オフィス・レディ”を1位だったかのようしたといいます。
確かにある程度年齢を重ねた女性に対して“ガール”と呼ぶのは失礼な気もしますね。
そして“OL”と決まったのはいいものの、世間一般へ浸透するまでには長い時間を要することとなり、1970年代中頃になってようやく定着、オフィスで働く女性全般に対して“OL”が使用されるようになりました。
昭和時代後期には丸の内の近代的なビジネス街オフィスで働く女性を指して、一般とは違うという憧れの意味も込めて“丸の内のOL”と称されたり、また一般職あるいは専門職に限らず特に優秀な女性に対しては“キャリア・ウーマン”が用いられるようにもなります。
ちなみに“ビジネス・ガール”が売春婦の隠語であるという話は東京オリンピックを翌年に控えた1963年に広まったもので、東京オリンピックで来日する外国人の誤解を防ぐためにこの代替語の公募はされたのですが、“ビジネス・ガールが売春婦の隠語である”という実態はありません。
また、英語圏の英語での同じ意味の表現は“office worker(オフィス従業員)”や“company employee(会社員)”になり、男女の区別というものはなく、“女性の”という意味で“female”などを付けたりはしません。
これはアメリカ、カナダ、イギリスなど英語圏の先進諸国では、職場に関わること全般において、性別・年齢・人種・ 宗教・性的指向などの“本人と不可分の属性”は不公平な差別に繋がりかねない、または差別があったと思われかねないことから、必要もないのにこれらを公表したり尋ねたりすることはタブーとして戒められているためになります。
近い将来では日本でも仕事内容などを問わずに単純に“会社員”に統一されるかもしれませんね。
昨日は何の日?
11月24日
・鰹節の日
今日は何の日?
11月25日
・OLの日
明日は何の日?
11月26日
・ペンの日