絵本の日
「絵本の日」は1986年のこの日に日本発の近代絵本の考え方を示した本である瀬田貞二の「絵本論」の初版が発行されたことが由来で、「医療法人 元気が湧く」が福岡県福岡市に開設した民間図書館である「絵本と図鑑の親子ライブラリー」が制定しました。
「医療法人 元気が湧く」によると「絵本の研究者、作家、出版社、書店、読者とともに絵本の魅力を伝え、絵本を通じて子供の感性を育てて、個人と社会を結び、その教育的、文化的、社会的な活動を広めていく」という目的があるようです。
ミッフィーちゃんの本名はナインチェ・プラウス
“絵本”とはその主たる内容が絵で描かれている書籍の一種で、イラストを主体とした書籍のうち物語などテーマを設けて文章を付与しこれを読ませるものです。
コマ割りがなされていない点などで漫画とは区別され、文章がなかったり物語(ストーリー)の代わりに解説が付されていたりする点で画集・イラスト集とも異なります。
幼児や児童向けの内容のものが多いですが、大人が読んでも読み応えのあるものや大人対象の絵本も存在します。
幼児向けのものでは、幼児自身がまだ十分に文字が読めないため、大人や年長者が物語を読み聞かせつつ、絵を眺めさせるという形態が一般的です。
これによって言葉とイメージ(視覚から得た情景)を関連付けさせ、言葉の意味を学習する一種の家庭教育的な効果も期待されるといわれていますが、日常的な場では単に娯楽という側面が強いです。
絵本はその初期において識字率の低い大衆に内容を理解させるという性質も強かったと考えられており、こと宗教の布教においては説話や抽象的概念を絵図で示すことは世界各地にその類型が見られ、神話や伝説なども絵図入りの書物の形で示されたものも数多くあります。
日本では平安時代の絵巻物を起源とし、室町時代の奈良絵本、江戸時代の草双紙と歴史をたどることができ、明治時代になって欧米の印刷技術や絵本が入り、現在のような絵本の形態になってきました。
現代では、最初から大人をメインターゲットとした、芸術性の高い絵本も制作されています。
幼児や児童向けでも、大人が読むとその荒唐無稽さから極めて超現実的な印象を受ける絵本というのも存在しますが、その一方では物語に託された深い洞察や示唆に大人が関心を示すケースというのも見られ、世代を超えて愛される絵本の中には、こういった良質な作品も見出されることがあるようです。
中には子供から大人まで巻き込んでブームを巻き起こすケースもあり、“100万回生きたねこ”のように深い感動を読者に与えた作品もあれば、“ウォーリーをさがせ!”のように遊びを提供するゲームブック的な性質で愛好者を増やした作品などが該当します。
シリーズ化された作品の中には“アンパンマン”のように様々なメディアに展開されるものもあり、単に絵本という枠から飛び出し世界中で愛されているキャラクターとなったケースもあります。
ミッフィーちゃんもその一つです。
日本ではミッフィーちゃんの名前で呼ばれていますが本来は“ナインチェ・プラウス”という名前になります。
オランダのデザイナーであるディック・ブルーナが描いた絵本に主人公として登場するうさぎがモチーフのキャラクターで、ナインチェの絵本の販売は2004年時点で全世界で8500万部に達します。
日本では母国と同じナインチェと呼ばれることはほとんど無く、“うさこちゃん(初出1964年)”や“ミッフィーちゃん(初出1979年)”の二つが大半を占めています。
“うさこちゃん”の方は見たことがないという人も多いかもしれませんが、2005年4月時点で日本での絵本のタイトル数は福音館書店刊行の“うさこちゃん”が14冊、講談社刊行の“ミッフィー”が12冊で、売上上位3冊のトータル部数は“うさこちゃん”が537万部、“ミッフィー”が17万5000部と“うさこちゃん”が実は圧倒しているのです。
なぜこのような状況になっているのかというと、キャラクターブームに伴って他業種からキャラクターグッズが相次いで発売され、“ミッフィー”の方がより身近になったからと言われています。
そして“ナインチェ・プラウス”という名前も全く使われていなわけではありません。
例えば大手の通信販売会社であるフェリシモの商品カタログ“ミッフィーとおともだち”(2003年に休刊)では、オランダ直輸入のキャラクター商品に対して“ナインチェ”が使われており、またハウステンボスにはナインチェ関連商品専門の売店“ナインチェ”があります。
2013年には劇場版も公開されていますので、ぜひ家族で楽しんでみてはいかがでしょうか。
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