本みりんの日
「本みりんの日」は「い(1)い(1)み(3)りん(0=輪)」の語呂合せと、この時期が鍋物などで本みりんをよく使う季節であることから、全国味淋協会が制定しました。
全国味淋協会によると「日本の伝統的調味料である本みりんの優れた調理効果を、より多くの消費者に知ってもらう」ということを目的としているようです。
みりん・みりん風調味料・みりんタイプ調味料の違い
“みりん(味醂、味淋)”とは、日本料理の調味料や飲用に用いられるアルコール飲料のひとつで、混成酒に分類されるものです。
後述の“みりん風調味料”と区別するため“本みりん”と呼称されることがあります。
甘味のある黄色の液体で、約40〜50%の糖分と約14%程度のアルコール分を含有しており、煮物や麺つゆ、蒲焼のタレや照り焼きのつや出しに使います。
アルコール分が魚等の生臭さを抑え食材に味が浸透する助けをし、素材の煮崩れを防ぎ、糖分が料理に甘みを加え、照焼きの艶を出し、加熱によりよい匂いを生じさせます。
元来は飲用であり、江戸期に清酒が一般的になる以前は甘みのある高級酒として飲まれていました。
現在でも屠蘇や養命酒など薬草を浸したものを薬用酒として飲用することがあります。
みりんそのものの起源に関しては諸説あり、確定的なものがないようです。
中国に今でも存在している“密淋(ミイリン)”という甘い酒が戦国時代の頃に伝来したという説や、日本に古くから存在した練酒、白酒などの甘い酒に腐敗防止策として焼酎が加えられたという説が有力とされています。
高いアルコール分を含む本みりんは日光を避けた場所であれば開封後も室温で保存でき、冷蔵庫で保存した場合は糖分が結晶化・沈殿して白い塊を作りますが、この状態でも使用しても健康に問題はありません。
スーパーでみりんを買おうとすると“本みりん”ではなく“みりん風調味料”や“みりんタイプ調味料”といったものを見かけますが、これらは材料や製法が違う事から成分が異なり、料理における効果も異なります。
一つはアルコール分の違いです。
本みりんとみりんタイプ調味料にはアルコール分が含まれているため、魚や肉などの生臭みを消す、煮くずれを防ぐ、食材にうまみ成分を浸透させる効果などがあります。
ですが加熱しない料理(マリネ、ドレッシング、和え物)に使用する場合は、煮切ってアルコールを飛ばす必要があります。
みりん風調味料はアルコール分がほぼ含まれていないので煮切る必要はありません。
よって本来みりんにはビールやウイスキーなど一般に飲用に供されるアルコール飲料と同じく、酒税法により酒税がかけられ、また製造・販売免許が必要であり製品には製造者の記載が義務づけられるのですが、アルコールを含まないみりん風調味料には酒税がかかりません。
みりんタイプ調味料は本みりんと同じく醸造(発酵)調味料でアルコール分を含有していますが、塩を加えて飲用できないようにしているため、酒類には含まれず酒税がかかりません。
二つ目は原料と製造工程の違いです。
本みりんの原料はもち米、米麹、焼酎もくしは醸造アルコールをじっくり熟成して作られるもので、この熟成の間に多種類の糖類やアミノ酸などのうまみ成分が作り出されます。
一方みりん風調味料は水あめなどの糖類、米、米麹、うまみ調味料などをブレンドして作ります。
みりんタイプ調味料は素材の臭い消しや味の浸透性を高めるなどアルコール分の効果がある一方で、上記の通り塩分を含んでいるため調理の際には注意が必要です。
これらをまとめると
・本みりんは煮くずれを防ぐ、味がよく浸透する、上品でまろやかな甘みがある、コクと旨味が加わる
・みりん風調味料は煮切りの必要がない、価格が安い
・みりんタイプ調味料はアルコールによる調理効果がある、価格が安い、塩分に注意
というようになります。
似たようなみりんでもこのよな違いがあるので、用途やお財布と相談しながら使い分けると一つ料理の上級者に近づいたと言えるかもしれませんね。
昨日は何の日?
11月29日
今日は何の日?
11月30日
・絵本の日
明日は何の日?
12月1日