いいフグの日
「いいフグの日」は「いい(11)フグ(29)」の語呂合わせで社団法人全国海水養魚協会であるトラフグ養殖部会が制定しました。
フグは食べた人に「福(ふく)」をもたらすという語呂合わせであることも由来の一つです。
全国海水養魚協会は兵庫県神戸市に本部を置く全国の国産養殖トラフグの生産者によって組織されており、「いいフグの日」はフグの中でも特に美味しいと言われている「トラフグ」の美味しさをより多くの人に知ってもらうことを目的としています。
本来フグ自身は毒をもっていない
“フグ(河豚)”は、フグ目、特にフグ科に属する魚の総称です。
食用とする種としてはトラフグ、マフグなどが有名ですが食用可能な部位はフグの種類や漁獲場所によって異なるため、素人によるフグの取扱いや調理は危険とされています。
実際、日本における食中毒の原因のほとんどがキノコとフグであり、フグによる事故の多くは素人調理が原因です。
釣り人などによるフグの素人調理が絶えないのは、フグに関する条例があくまで都道府県単位で制定されているもので、その強制力が法律には遠く及ばないことも関係しているようです。
多くの種において内臓や皮膚、血液、筋肉の全部または一部に毒性のあるテトロドトキシンを持っており、この毒は2mgが致死量といわれる非常に強い毒になります。
そのため専門店などではフグを調理した際に出る内臓を捨てる場合は、悪用を防ぐために専門の鍵付きの金属製のゴミ箱に入れて管理され専門の業者を介して廃棄されます。
フグの毒化の原因については、フグ自身がフグ毒を産生しているとみる内因説と、餌など外部から取り込まれるとみる外因説がありましたが、フグ毒は海洋細菌によって産生され食物連鎖によってフグの体内に蓄積されるとみる外因説が有力となっています。
もともと一部の真正細菌が生産したものが、餌となる貝類やヒトデなどの底性生物を通して生物濃縮され、体内に蓄積されたものと考えられているようです。
フグはテトロドトキシンに対し高い耐性を持っているためフグ自体が中毒することはありませんが、自然に蓄積する濃度のテトロドトキシンに耐えられるという意味であって、故意に高濃度のテトロドトキシンを与えたならばフグも中毒を起こします。
天然のフグの場合、種によって毒化する部位が異なり、同じ種でも季節により毒の量が変わることもあってフグの取り扱いというのは非常に難しいのです。
近年ではフグは分泌するテトロドトキシンを能動的にコントロールしていることが明らかになっており、養殖時にテトロドトキシンの含有がない餌を与えると噛み合いなど異常行動を起こすことが確認され、異常行動時にテトロドトキシンを含有する餌を与えると収束することから、正常な活動のためには一定のテトロドトキシンが必要であるという見方もあります。
ですがフグ毒というのは未だ解明されていない部分も多く、解毒剤や血清なども存在しません。
かつて徳川氏が政権を担っていた頃の武家で当主がフグ毒で死んだ場合には“主家に捧げなければならない命を己の食い意地で落とした輩”として家名断絶等の厳しい対応がなされたといいます。
すでに毒を蓄積させない養殖法も確立されておりスーパーなどで安価で手に入れることは可能ですが、毒を持つにも関わらず天然物の需要は非常に高いものとなっています。
もし釣り上げても自分で調理はせず、フグを楽しみたいときは必ず専門店などでいただきましょう。
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