ランドセルの日
「ランドセルの日」は3+2+1が小学校の修業年数の6になることから、ランドセルをミニサイズに加工する店「スキップ」が提唱しました。
また3月21日というのは卒業式のシーズンでもあり、小学校6年間の思い出が詰まったランドセルに感謝の気持ちを表す日にもなっています。
ランドセルは歩兵用の鞄だった
“ランドセル”は、日本の多くの小学生が通学時に教科書、ノートなどを入れて背中に背負う鞄です。
その起源は意外と古く、江戸時代(幕末)において幕府が洋式軍隊制度(幕府陸軍)を導入する際、将兵の携行物を収納するための装備品として、オランダからもたらされた背嚢(はいのう)のオランダ語呼称である“ransel(ランセル、ラヌセル)”がなまって“ランドセル”になったとされています。
画像としては一柳斎国孝筆の双六“調練仕方出世寿語禄”(版元・大黒屋金三郎)に描かれている、韮山笠を被った兵士が背負っている鞄がそれとみられており、これは昭和前期までの通学用ランドセルに形状がよく似ていることからもこの背嚢がランドセルのルーツであることは間違い無いようです。
明治時代以降、本格的な洋式軍隊として建軍された帝国陸軍においても、歩兵用に革製の背嚢が採用されています。
通学鞄としての利用は、官立の模範小学校として開校した学習院初等科が起源とされています。
学習院は“教育の場での平等”との理念から馬車・人力車による登校を禁止、学用品を入れ生徒が自分で持ち登校するための通学鞄として背嚢が導入されたのですが、当初はリュックサックのようなものでした。
1887(明治20)年、当時皇太子であった嘉仁親王(後の大正天皇)の学習院初等科入学の際、伊藤博文が祝い品として帝国陸軍の将校背嚢に倣った鞄を献上、これをきっかけとし世間に徐々に浸透して今のような形になったとされています。
ですが当時はまだ高級品であり、戦前は都市部の富裕層の間で用いられる事が多く、地方や一般庶民の間では風呂敷や安価な布製の肩掛けの鞄等が主に用いられていました。
ランドセルが全国に普及したのは昭和30年代以降、高度経済成長期を迎えた頃からと言われ、その頃は比較的安価で入手できるものとなっていましたが、近年では再びその値段は上がっており、低所得層の負担ともなっているようです。
実はランドセルの購入は義務ではないものの、殆どの家庭では新品を用意することが多く、ランドセルを与えなかったり中古やお下がりを持たせると子供がからかわれる可能性があることから新品を買わざるを得ない風潮が強くあります。
かつては男子は黒、女子は赤を使用するのが一般的でしたが近年ではパステルカラーのものなどもよく見かけます。
色のバリエーションは1960年頃にはすでに存在していたのですが当時は殆ど売れず、売れ始めたのは2000年代に入ってからのようです。
本来ランドセルは6年間の保証が付いていることが多いのですが、6年生になる頃にはデザイン的な理由などから使わなくなる児童も多いです。
ですがランドセルは製造工程の殆どが手作業という、大変気持ちの込められたものですので、ぜひ6年間大事に使っていきましょう。
近年ではその6年間の思い出の詰まったランドセルをインテリアとして残せるよう、ミニサイズに加工してくれるところもあります。
また、2014年3月頃アメリカの女優ズーイー・デシャネルが赤いランドセルを背負った写真が出回り、若い人たちの間でもランドセルを身に着けることがブームとなりつつある他、日本のアニメなどを通じてランドセルの存在を知った外国人が、日本旅行時に土産として購入し持ち帰る例が増えており、空港の免税店など外国人向けの商店で売られていることもあるようです。
いつか児童の学習道具鞄としてでなく大人のファッションとしてランドセルが浸透する日が来るのかもしれませんね。
昨日は何の日?
3月20日
・電卓の日
今日は何の日?
3月21日
明日は何の日?
3月22日