元日
「元日」は新年の幕開けの日で年の始めを祝う国民の祝日です。
1948(昭和23)年7月公布・施行の祝日法によって制定されました。
「旦」は「日の出・朝」の意味で、いわゆる「元旦」とは1月1日の朝のことになります。
正月特有の遊びの意味
1月1日を公休日としている国は多く、日本では明治から大正・昭和前期まで皇室行事である四方拝にちなみ、“四方節(しほうせつ)”と呼ばれて祝祭日の中の四大節(紀元節、四方節、天長節、明治節)の一つとされてきました。
1948(昭和23)年公布・施行の国民の祝日に関する法律(昭和23年7月20日法律第178号)第2条により、四方節に代わって“年のはじめを祝う”ことを趣旨とする国民の祝日となります。
日本各地では元日の1月1日から1月3日まで(三が日)、または“松の内(現在では1月7日)”までを特に“お正月”と呼んでこれを尊重し、毎年この時期独特の行事や慣習が執り行われます。
正月には前年お世話になった人や知人などに年賀状を送る習慣があり、お年玉つき年賀はがきの抽選日までを正月とする習慣も多いです。
元来は年の初めに“お年始”として家に挨拶に行ったり人が訪ねて来たりするはずのものが簡素化されたものと考えられます。
正月にやる遊びとして“凧あげ”や“独楽回し”、“羽根つき”などがありますね。
現在ではほとんど見かけなくなりましたが、これらにもちゃんとした意味があることをご存知でしょうか。
“凧あげ”はもともと日本の風習ではなく、平安時代に中国から伝わってきたものになります。
当時は貴族などの一部の上流階級が行うものでしたが、徐々に庶民の間に浸透し、正月の定番の遊びとなっていきました。
“立春の季に空に向くは療生の一つ”と考えられていたことから、凧あげはその時の健康を願って行われていたと考えられます。
また、あげた凧が高ければ高いほど子どもが元気に育つとも言われていたようです。
同じく“独楽回し”についても中国から伝わってきたものになります。
中国から朝鮮半島の高麗(こま)に伝わり、それが日本に伝わって“独楽”という名称になったとされています。
当時伝わってきた独楽は“鳴り独楽”というもので、回すと音が出るものでした。
この独楽の音には邪気を払う力があるとされ、邪気払いのために独楽回しを行っていたのです。
病気も邪気が運んでくるものとされていたため、その年の健康を願うという意味もあったようです。
“羽根つき”どうでしょうか。
“羽根つき”は平安時代の初期に宮中で行われていた“毬杖(ぎっちょう)遊び”が起源という説があります。
毬杖遊びとは先がヘラのような形をした杖で毬を打ち合う遊びで、この杖が変化して鎌倉時代になると羽根つきになったと考えられています。
室町時代になると羽根つき用と贈り物用に分かれていき、江戸時代には歌舞伎役者を押し絵で仕上げた飾り羽子板が登場して女性たちの間で大人気になります。
江戸時代に羽根つきが女の子のお正月の遊びとして定着していき、女児の初正月に羽子板を贈る習慣ができたといわれています。
ちなみに男児の初めてのお正月には破魔矢を贈るそうです。
羽根つきで使用する羽根の先についている黒い球は“無患子(むくろじ)”という大木の種で、“無患子=子どもが患わない”という意味があり、女子が様々な災いをはね(羽根)のけて、健やかに、美しく育つよう願いが込められています。
一般の羽根つきのルールとして、羽根を落とした方の顔に墨を塗るというものがあります。
現在ではただの罰ゲームのように感じてしまいますが、これにもちゃんとした意味があるのです。
上記のように羽根つきの羽根には無患子が使われており、羽根つきは勝負として競うのではなく、お互いの健康を願って長く打ち続けるものになります。
当然、失敗して羽根を落とすことも考えられ、この時にお互いの健康への願いが途切れてしまっても、鬼が嫌う黒い色を魔除けの意味を込めて塗ることで、身を守れると考えられていました。
現在では凧あげも独楽回しも羽根つきも見かけることはほとんど無くなってしまいました。
ですがそれぞれにきちんとした意味があることが広まれば、復活するかもしれませんね。
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