食パンの語源には諸説あります。
1.デッサンの際には、パンの白い部分を丸めて消しゴムとして使うことがあります。
これは木炭紙を傷めないなどの理由からで、食用のパンと消し具用のパンを区別するために食パンと呼ぶようになった説。
2.食パンをふんわりと膨らませるのは酵母菌の働きになりますが、膨らんだパンの断面を見てみると虫食いのような小さな穴があります。
これは酵母菌が食べた跡だとも言われていたので、酵母菌に「食べられたパン」で「食パン」と呼ばれるようになった説。
3.キッチンに備わっているものの中に「食パン」の他に「パン」と呼ぶものがもう一つあります。それはフライパンです。
このフライパンと区別するために「食パン」と呼ぶようになった説。
4.明治初期に外国人が主食として食べていたことから「主食用のパン」という意味で「食パン」と呼ばれるようになったという説。
パン屋の1ダース
通常1ダースは12個を表す単位ですが、パン業界では13個(稀に14個)を表しています。
かつて13世紀のイギリスではパン屋がパンの重さをごまかして売っているという噂が流れました。
これを受けて、1266年にヘンリー3世が公布した法律“パンとビールの基準法”では、パン屋が販売するパンの重さを誤魔化していた場合に重い罰則が定められます。
個々のパンをまったく同じ重さで焼くことは困難であるし、焼きたてのパンと時間が経ったパンでは水分の蒸発によって重さが変わってしまうことがあります。
そこで、罰則を畏れたパン屋が、1ダース(12個)を購入した客に対して、1個おまけをして13個(あるいは2個おまけして14個)で販売し、重さの誤差や焼き上がりからの時間経過による水分の蒸発で軽くなって罰則を受けることを回避するようになっといいます。
この説には異論もありますしアメリカでは普及していないようです。