世界狂犬病デー
「世界狂犬病デー」は国際デーの一つで、この日が狂犬病ワクチンの開発者であるパスツールの忌日であることから、2006年に発足した狂犬病予防連盟が制定しました。
狂犬病予防連盟によるとこの日を「ヒトおよび動物における狂犬病の影響について注意を喚起するとともにその予防法についての情報と助言を提供し、個人や組織体が全地球的な病因を排除するための手助けを行う」事を目的としており、毎年のこの日には狂犬病の啓発活動が行われたり、犬への予防接種を行うなどの取り組みが実施されているそうです。
狂犬病とは
“狂犬病”とは、ラブドウイルス科リッサウイルス属の狂犬病ウイルスを病原体とするウイルス性の人獣共通感染症で、水などを恐れるようになる特徴的な症状があるため、恐水病または恐水症と呼ばれることもあります。(実際は水だけに限らず、音や風も水と同様に感覚器に刺激を与えて痙攣等を起こす)
名前は聞いたことあるという方がほとんどだと思いますが、実は致死率はほぼ100%というとても恐ろしい病気なのです。
毎年世界中で約5万人の死者を出しており、その95%以上はアフリカとアジアで、感染した動物に噛まれた人の40%は15歳未満の子供でした。
ヒトからヒトへの伝播がなく大流行に繋がる恐れもないことから、感染症対策の優先度が低くなる傾向があるようです。
狂犬病ウイルスは感染した動物の唾液中に存在し他の動物に噛み付くことで感染していくもので、傷口からウイルスが体内に侵入し、末梢神経や中枢神経などへ広がって障害を起こします。
その症状は名前からもイメージされやすい攻撃的な行動が特徴の“狂騒型”と、その真逆で周囲の刺激などに対して反応が弱くなる“麻酔型”に分かれます。
残念ながら現在どの国の医療でも狂犬病に有効な治療法はなく、人や犬をはじめとし全ての哺乳類は発症すればほぼ100%死に至るため、狂犬病の感染を予防する他ありません。
日本で記録が残る最初の流行は、江戸時代の1732(享保17)年に長崎で発生した狂犬病が九州、山陽道、東海道、本州東部、東北と日本全国に伝播していったものであり、東北最北端の下北半島まで狂犬病が到着したのが1761(宝暦11)年のことだそうです。
1873(明治6)年に長野県で流行したのを最後にしばらく狂犬病被害は途絶えていましたが、1886(明治19)年頃から再び狂犬病被害が発生するようになりました。
その後飼い犬の登録とワクチン接種の義務化、徹底した野犬の駆除によって1956(昭和31)年の犬、ヒトの感染報告と1957年のネコ感染報告後は、国内での狂犬病の発生は確認されていません。
ですが近年の調査によると狂犬病ワクチンの接種率は年々低下しており、未登録犬も含めた予防注射実施率は約40%と流行を防ぐために必要とされるWHOガイドラインの70%を遥かに下回っているのが現状です。
また、犬に限らず狂犬病に感染している動物がペットとして海外から日本へ持ち込まれる可能性は常にあります。
日本は狂犬病が発生していない国、“狂犬病清浄国”であり、狂犬病清浄国は世界でわずか7ヶ国しかなく、日本、ハワイ、グアム、フィジー諸島、オーストラリア、ニュージーランド、アイスランドと全て島国です。(2013年7月時点)
発生していないからと油断せずに恐ろしい病気だという事を改めて認識し、予防に努めることが大事だと思います。
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