世界観光の日
「世界観光の日」は「世界観光デー(World Tourism Day)」ともいわれる国際デーのひとつで1970年9月27日にWTO憲章が採択されたことから世界観光機関(WTO)が制定しました。
「世界観光の日」については1979年9月にスペインのトレモリノスで「第3回世界観光機関」の総会が開催された際に提唱され、翌年の1980年に制定することが決議されます。
その後、「世界観光機関(WTO)」は2003年に国連の専門機関となったため、名称が「UNWTO」となりました。
この日には「UNWTO」に加盟している各国で観光推進のための活動などが行われているそうです。
あえてそうなるように作られた観光地
“観光”とは、一般には楽しみを目的とする旅行のことです。
人類最古の観光の形態は聖地への巡礼の旅であったと考えられており、例えばかつてスペインでは世界各国からサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼者を1000年以上にわたって受け入れてきた歴史があります。
日本でも古代から神社仏閣への参詣が行われており、社会が安定した江戸時代中期以降には伊勢神宮などに参るついでに名所巡りや飲食を楽しむ旅が庶民にも広がり、これらは“旅”、“行旅”、“遊山”などと呼ばれ、寺社や景勝地を紹介した各地の名所図会や『東海道中膝栗毛』のような旅行文学も刊行されました。
一般庶民に観光と言うものが流行り出した当初は観光に行くという事自体に価値があり、場所や何をするのかということは重点に置かれませんでしたが、次第に観光に行くということ自体は当たり前となってくると何処に行くのかということがステータスとなります。
観光地を大きい見出しにしたパンフレット等が流行り出したのもこの時期のことでしたが、その時代も長くは続かずたいていの観光地には行ったことがある人が増え、何処に行ったということが自慢になる時代は終わりを告げました。
現在では交通機関の発達もあって、世界各地に観光に出かけることができます。
中には有名ですが少し残念な気持ちになる観光地も存在するのです。
例えば“エーゲ海”には白い建物が数多く建てられており観光地として有名です。
この白い建物は本来は強い直射日光を跳ね返す目的で塗装されたものですが、観光地としての価値を落とさないために1976年に建物は白く塗装しなければいけないと決められました。
“自然にそうなった景色”のはずが綺麗な町並みを保存するために“作られた景色”となってしまい、これは日本の京都などでも同様で仕方のないことといえばそうなのかもしれません。
また、1173年に建設された“ピサの斜塔”は建設された場所の地盤が緩かっため年月の経過によってだんだんと傾いてしまったことで有名です。
当然放置すれば倒壊の可能性もあり、1990年にピサの斜塔は修復のために閉鎖されて10年という歳月をかけて修復作業が行われました。
結果、これ以上傾くことのない斜塔となってしまい、これも価値を残すためにわざと人の手が加えられたものとなっているのです。
さらに度重なる修復によって建てられた当時より高い塔になっています。
アフリカの“マサイ族”といえば伝統的な衣装を着て部族の生活を日々送っていると思われがちですが、実態はそうではありません。
現代では普段ほとんど民族衣装を着ておらずジーパンにTシャツといった一般の若者の格好をしており、住む場所もほとんどの者が首都のナイロビに住んでおり、朝になると観光業のため出勤するような形でマサイ族の村に車でやってくるのです(これらの物は観光客に見えないよう木陰などに隠している)。
スマホは必需品で観光業にはもちろん、牛の群れを移動させるときなども仲間内で連絡を取り合うために使うそうで、中継アンテナは今やサバンナのあちこちに立っているので、通話環境・ネット環境などは充分に整っているのだとか。
観光業のためにわざと伝統的な格好をしてお客をもてなす、何も悪いことではないのですが少し残念な気がします。
ですが、これは日本でも同様であり外国人が日本に侍や忍者を見にくるのも実は同じ感覚なのかもしれませんね。
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