パラシュートの日
「パラシュートの日」は1797年のこの日にフランスのパリ公園でアンドレ=ジャック・ガルヌランが高度8000フィート(約2400m)の気球から直径7mの布製の傘のようなものと一緒に飛び降りたことが由来です。
これが世界初のパラシュートによる人間の降下とされ、着陸時に衝撃があったものの無傷だったようです。
アンドレ=ジャック・ガルヌランは冒険者などではなく現代的なパラシュートの発明者であり、パラシュートのアイディアについてはナポレオン戦争の初期にイギリス軍に捕まった際に、脱走をするという目的で思いついたとされています。
また、熱気球の発明についても熱中していたそうで、1790年には自作の熱気球での飛行にも成功しました。
パラシュートには穴が空いている
“パラシュート”とは、傘のような形状で空気の力を受けて速度を制御するもので、イタリア語の“守る(parare)”とフランス語の“落ちる(chute)”を組み合わせた造語です。
日本では落下傘と呼ばれることもありました。
パラシュートは、飛行する航空機からの脱出や地上・海上施設への降下、スカイダイビングの最終行程などに使用され、初期のパラシュートは絹製でこれは湿ると重くなる上に開かないという事故がよく起こり、現在はナイロンなどの化学繊維製で作られています。
一般にはあまり知られていませんが、パラシュートの頂上となる部分には実は穴が空いています。
空気抵抗を利用して安全に降りるための道具なのに、穴が空いていたら使い物にならないのではと思われるかもしれませんが、この穴は“頂部通気孔”と呼ばれていて、パラシュートで安全に降下する際にはとても重要な役割を果たしているのです。
仮にパラシュートの上部に穴が空いていなかったら、空気が抜けていく場所がないため、360度どこから空気が漏れるかがわからなくなってしまい、パラシュートは大きく揺さぶられてしまいます。
この原理が考案されたのは実はつい最近のことであって、第二次世界大戦の時にはまだパラシュートに穴が空いておらず、兵士はパラシュートの操作にかなり苦労していたようです。
パラシュートでの降下はその訓練を積んだものでないと難しく、軍隊のパイロットなどでは必須の技術とされています。
逆にパラシュートを使わない作戦が展開されたこともありました。
戦争においては空挺部隊がパラシュートの降下作戦を行うことがありますが、1942年の2月末にソ連軍によってパラシュート無しの降下作戦が行われます。
冬の真っ只中で積雪がクッションとなって安全に降下できると考えられ、超低空で飛行している輸送機から約1,000名の空挺部隊が飛び降りましたが約半数は着地の時点で負傷してしまい、さらに降下地点でドイツ軍の反撃を受けて作戦は失敗したのでした。
パラシュートの操縦に一苦労したりそのまま飛び降りることになったりと、今ある安全なパラシュートは無謀とも言える過去の失敗と研鑽の積み重ねなのかもしれませんね。
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