毛皮の日
「毛皮の日」は「い(1)い(1)フ(2)ァー(輪=0)」の語呂合せで、1989年に日本毛皮協会が制定しました。
シンデレラはガラスではなく毛皮の靴を履いていた
“毛皮”とは体毛がついたままの獣皮のことで、本物の動物の毛皮のことを“リアルファー”とも呼び、本物の動物の毛皮を使用しない“フェイクファー”や“エコファー”などという呼び方もします。
人類は旧石器時代から狩猟を行い動物を食用にし毛皮を衣類として使用していたと考えられおり、かつては防寒具として毛皮に代わるものはなかったと考えられています。
特に寒冷な気候の北ヨーロッパなどでは、毛皮は生活に欠かせない必需品であったようです。
封建時代のヨーロッパでは高級な毛皮は宝石などと同様に財宝として取り扱われており、王族・貴族以外が黒い毛皮を着用することは禁じられたりもしています。
18世紀以降にはこれがヨーロッパ全土に広まり、貴族はキツネ、テン、イタチなど、庶民はヒツジ、イヌ、ネコなどの毛皮を使用していました。
日本では嵯峨天皇の時代以来、渤海国(現在の中国東北部、朝鮮半島北部、ロシア沿岸部にかけて存在していた国家)からテンやトラなどの毛皮が高級舶来品として輸入され、平安時代には貴族の間で毛皮が流行し、富裕層の人々が防寒着として着用していたようです。
ただし、マタギなどの猟師が自ら仕留めた獣の毛皮を加工し防寒着などとして用いていましたが、一般では衣料素材としてはあまり積極的に使われておらず、細々とした流通に留まっていました。
現代の世界の毛皮の85%以上が野生由来ではなく、毛皮用の動物養殖農場から生産されていますが、その毛皮用動物養殖場における動物の扱いが問題視されるようになっています。
NGOの調査によって中国での劣悪な飼育施設の現状や、近親交配による不完全な個体の増加、アライグマが意識のある状態で毛皮を剥されているなどの実態が明らかになったのをきっかけに、中国だけでなくフィンランドやノルウェーでも告発が続いています。
1着のフォックスコートには約10匹、ミンクコートやラクーンコート、ラビットコートには約30匹もの動物の毛皮が使われ、不必要な動物への危害は止めるべきとの声も大きくなっているのが現状です。
こういった毛皮用動物養殖の問題が明らかになるにつれ、ファストファッションブランドからラグジュアリーブランドまで毛皮の廃止を宣言するファッションブランドが増加しており、毛皮に反対する国際連盟“Fur Free Alliance(FFA/事務局:オランダ・アムステルダム)”が各国で展開しているファーフリープログラムには現在約850のファッションブランドが参加し、これらのブランドは毛皮を販売しないことを宣言しています。
FFAには“GUCCI(グッチ)”や“Armani(アルマーニ)”といった高級ブランドから“H&M”のようなファストファッションブランドまで幅広く参加しています。
今後は動物由来の毛皮は一切使用が禁止され、化学繊維で作られたフェイク品のみ流通するなんてことになるかもしれません。
この毛皮ですが実は“シンデレラに登場するある重要なアイテム”が実は毛皮だったことをご存知でしょうか。
それは“ガラスの靴”になります。
というのも最初にシンデレラという童話は17世紀末のフランスで、童話作家であるペローという人物によって書かれたもので、ペローの書いたシンデレラではガラスの靴は登場せずに毛皮の靴が登場するのです。
ですが、フランス語から英語に翻訳された際に“verre(毛皮)”の部分が間違えて“verie(ガラス)”と翻訳され、毛皮の靴だったものがガラスの靴となってしまった、と言われています。
ですがペロー以前からも他のフランス語圏内でもガラスの靴バージョンが存在していたことから、ペローが書き上げる際に誤認していたという説やそれに対する反論もあり、何が真実なのかは不明のままです。
ですがエレガントなシンデレラがガラスでなく毛皮の靴を履いていた、となると少し残念な気もしますね。
グリム版やバジーレ版など、原話によってかなり話のイメージが違うので一度読み比べてみるのもいいかもしれません。
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