奇術の日
「奇術の日」は奇術(手品)につきもののかけ声「ワン(1)ツー(2)スリー(3)」が由来で、1990(平成2)年に日本奇術協会が制定しました。
日本奇術協会ではこの日に合わせて各地の施設にてマジシャン無料巡回公演を開催しており、協会会員およびマジック愛好家が総動員で期間中の3日間ボランティアのマジック公演やマジック教室、ワークショップ等を実施し、広く一般に親しむことで奇術界の裾野を広げ、全国規模で公共の利益へ奉仕することを目的としているようです。
毎年参加やご協力をいただけるマジシャン(プロマジシャン、マジック愛好家)および公演会場としてご提供またはご紹介いただける公共施設や会場を募集しますので興味があればどうでしょうか。
マジックで使われる鳩の正体
“奇術”とは人間の錯覚や思い込みを利用し、実際には合理的な原理を用いてあたかも“実現不可能なこと”が起きているかのように見せかけるパフォーマンスです。
“手品”や“マジック”と言う場合もあり、また奇術を行う者を“奇術師”、“手品師”、また“マジシャン”とも呼びます。
通常、観客に見せることを前提として娯楽として発展を遂げてきたものをいいます。
奇術の歴史は古く、紀元前1700年頃のものと考えられている書物(ウェストカー・パピルス)には当時のファラオの前で演じた奇術師の様子が詳細に描かれていたり、ギリシャ・ローマ時代の文書には奇術師に関連する逸話や見聞録が数多く存在します。
ですが当時は娯楽というよりは政治的に利用されたことも多くありました。
これは古代の集団においてそれを統率するリーダー的役割の人間は、不思議な力があることが重要視されていたからだと思われます。
リーダーは一般民衆とは違ったことができるということをアピールすることで権力を得ていたのです。
中世から近世にかけて西ヨーロッパにおいても同様で、当時奇術は権力者にとっては自身の権力を大きく見せる為の手段であり、同時に魔女狩りによって不都合な人物を消す為の方便でもありました。
こうした権力者の虚構を暴くと同時に魔女狩りから無実の人々を救うために、1584年にイギリスの地方地主レジナルド・スコットは“妖術の開示”という本をロンドンで出版、この中には奇術の解説も含まれており、世界最古の奇術解説書となっています。
ですが、権力者にとって不都合な書物であった為か、英国国王ジェームス一世は自身が王位につくとこの本を異端の書として全て燃やすように指示した為、この本の原書はほとんど残っていません。
日本においては、奈良時代に唐より仏教とともに伝来した“散楽”が始まりとされ、陰陽師の術も奇術の原理を利用していたといわれています。
その後大道芸として発展し戦国時代には芸として完成していましたが、室町時代以降はキリシタン・バテレンの妖術と非難され、禁止とされた時期もあったようです。
江戸時代頃からは手妻(てづま)や品玉と呼ばれ、世界に先駆けていわゆるイリュージョン(人体消失などのステージマジック)や水芸などの日本独自の奇術が発展、人気を博しました。
奇術解説書も多く出版され、奇術は知的な座敷芸として認知されるなどすでにエンターテイメントとして楽しんでいたようです。
この時代には歌舞伎や人形浄瑠璃、からくり人形の舞台も大変な人気で、奇術的な原理を使用するものも多く、密接な関係を保っていました。
明治時代にはいると、ヨーロッパ巡業した松旭斎天一やその一門などを始めとした数多くの奇術師が主にステージマジックを主流とした“西洋奇術”を披露し人気を得ましたが、第二次世界大戦が長引くにつれ奇術に限らず娯楽全般は衰退していきました。
1900年代初期から日本奇術界は欧米のコピーに傾倒し始めていたことも影響し、世界的に見てもユニークな奇術であった手妻は、現在でも限られた奇術師(手妻師)しか演じなくなっているようです。
戦後はアマチュアマジシャン等の尽力もあり、欧米の奇術が再び日本へ紹介され大きな影響を与えました。
この頃はクロースアップマジックに関するものが多かったようです。
現在では日本の奇術愛好家人口も増加、全国各地に同好会が存在し、世界の舞台で活躍するマジシャンも多く、“マジック界のオリンピック”とよばれるFISM世界大会にも入賞するケースも増えています。
よくマジックで使われる道具として“白い鳩”がありますよね。
生きている動物なので予想外の行動をとって手品を台無しにしてしまわないかと思った方もおられるのではないでしょうか。
あの白い鳩は“ギンバト”と呼ばれる種類であり、他の鳩にくらべて大人しい性格なので心配いりません。
また、他の品種のハトと比べて身体が少し小さめなのですが、羽を広げると普通のハトと同じぐらいの大きさになることから、隠しやすく出した後の見栄えも良いのでマジックにはうってつけなのです。
近年ではテーブルマジックを鑑賞しながらお酒を飲めるマジック・バーなんてものもありますので、ぜひ探してみてはいかがでしょうか。
やはり生でみるのは臨場感が違いますのでおすすめです。
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