マウスの誕生日
「マウスの誕生日」は1968年のこの日にダグラス・エンゲルバートにより「The Demo」が行われたことが由来で、「IT25・50」シンポジウム実行委員会が制定しました。
ダグラス・エンゲルバートはアメリカの発明家であり、初期のコンピュータやインターネットの開発に関与し「ITの父」と呼ばれました。
「The Demo」はマウスやウインドウ、ハイパーテキスト、パソコン、現在のインターネットの原点となったこれらのデモンストレーションとなります。
従来はコンピュータといえば専門家しか操作することの出来ないとても複雑なものとされていましたが、マウスはコンピュータを誰もが直感的に操作できるようになる画期的な発明であり、その後のIT文化の基盤となっていきました。
2018年12月9日には「The Demo 50周年」を迎えるため、今一度「ITの過去・現在・未来」について考えるという目的が「マウスの誕生日」にはあるそうです。
マウスの距離の単位は“ミッキー”
“マウス”とはコンピューターで使用するポインティングデバイスの一種類のことです。
本体を手に持って机などの平面上を移動させ、接触式ないしは非接触式のセンサで移動を検知し、2次元の縦横それぞれの移動をコンピュータへ伝えるもので、近年は無線による“コードレスマウス(ワイヤレスマウス、無線マウス)”も多くあります。
この“マウス”という呼称は、形状がネズミに似ていたことから名づけられました。
現在ではほとんどのものにおいて指先側にコードが付いていますが、以前は手首の側に付いているものも多く、そのようなマウスの左右のボタンを耳に、電線を尾に見立てたものです。
また、マウスを動かした時の単位は“ミッキー”といい、1ミッキーはマウスの1/100インチの移動となります。
マウスの感度などを表す際に、マウスの1ミッキーの移動に対しマウスカーソルが何ドット移動するかという値ミッキードット比といったように使われるようです。
この“ミッキー”の命名者はマイクロソフトのプログラマーだったクリス・ピーターズであり、彼はマイクロソフトの105人目にあたる社員でWindowsのマウスドライバなどを開発しています。
マウスといえばあの“ミッキーマウス”を思い浮かべる人が多いことから、ミッキーにしたという一種のジョークとされていますが真実かは不明です。
1960年代にダグラス・エンゲルバートが作ったマウスはXとYの直交した2個の円板がある方式でしたが、1970年代には内蔵したボールの一部が底面に露出している“ボール式(第1世代)”が開発され主流となりました。
1980年代からはLEDなどの光源と光学センサーにより移動を検出する“光学式(第2世代)”が登場し、当初は専用のマウスパッドを必要とした上に高額であったため、一般には普及せず業務用途での使用が主だったようです。
1999年にはマイクロソフトによってマウスパッドが不要な商品も発売されましたが、透明なガラス板や光沢面などの上では全く動作が検出できなかったり不安定だったりする場合があります。
その後、同じく光学式マウスの一種ですが、赤色LEDの代わりに波長の長い赤外線LEDを使用した“IR(赤外線)LED式“が登場し、動作検出精度はさほど高くないためマウスパッドとの併用が推奨されていますが、消費電力が少ないためワイヤレスマウスなどに採用されています。
2004年9月にロジクールが赤外線レーザーを使用した“レーザー式(第3世代)”を発表しました。
精度が高く光学式マウスが苦手としていた光沢面でも動作検出が可能となっており、数年後には比較的安価に販売されるようにもなったのですが、普及度は従来の光学式を置き換えるほどではありませんでした。
2008年9月にはマイクロソフトが青色LEDを使ったBlueTrackマウスを発表しました。
“青色LED式(第4世代)”に使われる青色光は赤色光と比べて波長が短く拡散率が高いため、わずかなホコリや凹凸を検出することができ、動作検出精度も非常に高いものです。
わずか1年も経たないうちに2009年8月にはロジクールが暗視野顕微鏡の技術を応用した“Darkfieldレーザーセンサー”を搭載したマウスを発表しました。
この“暗視顕微鏡レーザー式(第5世代)”も“青色LED式(第4世代)”同様に動作検出精度は非常に高く、従来の方式では動作しなかった透明なガラス板などの上でも動作が可能になっています。
このように何気なく使っているマウスも他の家電製品同様に開発の進歩は早く、もしかすると1年後には全く新しい動作方法のマウスが誕生しているかもしれませんね。
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