ブリの日
「ブリの日」は12月(師走)は「鰤」が魚篇に師と書くこと、20日は「ぶ(2)り(0=輪)」の語呂合せであることが由来です。
出世魚ブリの多種多様な名前
“ブリ”とはスズキ目アジ科に分類される海水魚の一種で北西太平洋に生息する回遊性の大型肉食魚です。
旬は産卵期前で脂が乗る冬で、この時期のブリは特に“寒ブリ”と呼ばれ、寒ブリは同属種のカンパチやヒラマサよりも脂肪が多く独特の風味がありますが、産卵後の春には脂肪量が減少します。
料理法は幅広く、刺身、カルパッチョ、たたき、寿司、しゃぶしゃぶ、味噌漬け、焼き魚(照り焼き、塩焼き)、煮魚(ぶり大根)等で食べらます。
出世魚で縁起が良いこともあり、西日本では御節料理に欠かせない食材とされ(東日本ではおもに鮭を使用する)、福岡県では雑煮の具としても用いられています。
また、富山県から関西地方では年末年始に食べる風習(年取り魚)があり、富山県の西部(呉西)、特に新湊や氷見を中心に娘が嫁いだ初めての年末に婚家に寒ブリ一本を歳暮として贈る風習があるようです。
九州の北部の地域などでは、逆に嫁ぎ先の家から嫁の実家へブリを贈るという習わしがあり、これは“嫁ぶりがいい”ということで、お嫁さんの頑張りを実家へ伝える意味があります。
このようにブリは単に食用だけでなく、各地の文化や風習に深く関わっているのです。
ブリという名前は江戸時代の本草学者である貝原益軒が“脂多き魚なり、脂の上を略する”と語っており、“アブラ”が“ブラ”へ、さらに転訛し“ブリ”となったという説があります。
漢字“鰤”については“『師走』(12月)に脂が乗って旨くなる魚だから”、もしくは“『師』は大魚であることを表すため”等の説があるようです。
またブリは“出世魚”としても有名で、“出世魚”とは稚魚から成魚までの成長段階において異なる名前をもつ魚のことです。
ワラサやハマチなどは比較的耳にしますが、実は地域によっても呼び名が異なりその数は非常に多く、
・関東
モジャコ(稚魚)→ワカシ(35cm以下)→イナダ(35〜60cm)→ワラサ(60〜80cm)→ブリ(80cm以上)
・北陸
コゾクラ、コズクラ、ツバイソ(35cm以下)→フクラギ(35〜60cm)→ガンド、ガンドブリ(60〜80cm)→ブリ(80cm以上)
・関西
モジャコ(稚魚)→ワカナ(兵庫県瀬戸内海側)→ツバス、ヤズ(40cm以下)→ハマチ(40〜60cm)→メジロ(60〜80cm)→ブリ(80cm以上)
・南四国
モジャコ(稚魚)→ワカナゴ(35cm以下)→ハマチ(30〜40cm)→メジロ(40〜60cm)→オオイオ(60〜70cm)→スズイナ(70〜80cm)→ブリ(80cm以上)
もあります。
現代の流通過程では、大きさに関わらず養殖ものをハマチ、天然ものをブリと呼んで区別する場合もあるようです。
本来ブリの旬は上記の通り冬で夏には味が落ちてしまうのですが、近年では人為的に産卵時期をずらして夏が旬になるように養殖された“黒瀬ブリ”なるものも流通しています。
ですのでもし夏の時期に美味しいブリが食べたくなったら、この“黒瀬ブリ”の表記を目印にするといいかもしれませんね。
昨日は何の日?
12月19日
今日は何の日?
12月20日
・ブリの日
明日は何の日?
12月21日