世界翻訳の日
「世界翻訳の日」はこの日がキリスト教の聖職者で聖書をラテン語訳したことで知られるヒエロニムスが亡くなった日であることから、国際翻訳家連盟が制定しました。
夏目漱石が翻訳した“I Love You.”の意味
“翻訳とは”Aの形で記録・表現されているものから、その意味するところに対応するBの形に翻案することで、一般に自然言語のそれを指し、起点言語(原言語)による文章を、別の目標言語(目的言語)による文章に変換することです。
例えば英文から日本文へ翻訳された場合は、起点言語が英語、目標言語が日本語になり、起点言語による文を原文といい、目標言語による文を訳文・翻訳文といいます。
一方文章ではなく、自然言語の発話を別言語に置き換える行為は通訳とも呼ばれます。
翻訳はある言語圏から別の言語圏へと知識を移転することを意味するため、かつては先進文化圏からの翻訳によって別の文化圏へと重要な知識が伝達され、移転先の文化レベルを上昇させるケースが多くありました。
日本でも古代以降、隣接する大国である中国の文献を翻訳して摂取し文明レベルを向上させてきましたが、1774年の解体新書の翻訳出版を一つのきっかけとして、18世紀後半以降には盛んにヨーロッパの科学文献が翻訳されるようになります。
英語で“I Love You.”といえば日本語で“私はあなたを愛している”と翻訳する人が大半だと思いまが、最初に“I Love You.”が翻訳された時は“月が綺麗ですね”という全然違う言葉だったのです。
日本で最初に“I Love You.”を翻訳したのは小説家として有名な夏目漱石といわれており、夏目漱石はは英文学者でもありました。
というのも明治初期には男女が愛していますと言い合う風習はなく、英語教師をしていた頃の夏目漱石が“I Love You.”を“我君を愛す”と翻訳した教え子を見て、“『月がきれいですね』と訳しなさい。日本人にはそれで通じる”と言ったという逸話があります。
文豪が遺した詩的な愛の伝え方として近年ではドラマなどでも引用されている有名な話なのですが、実際に夏目漱石がそう言ったという文献や証拠はどこにも残っておらず、いわゆる都市伝説であるというのが有力な説です。
夏目漱石が実際にそう言ったかどうかは別として、“月が綺麗ですね”という言い回しには日本語という言語の特徴である奥ゆかしさが感じられ、なんとなく情緒を感じるという人も多いと思います。
日本最高峰の文学者がそんな表現していたとしても特におかしくはないと思う人が多くいたからこそ、この逸話が世間に広く流通したのかもしれませんね。
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