生命保険の日

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「生命保険の日」は1882(明治15)年のこの日に生命保険の受取人第一号が現れたことが報じられたことが由来で、生命保険のトップセールスマンの集まりであるMDRT日本会が2009年に制定しました。

MDRT日本会によると、お客様の為に初心を忘れないようにするために1月31日を「生命保険の日」としたそうです。

この保険に加入していたのは警察の警部長で1月20日に心臓病によって急死し、支払われた保険金は1000円、当人が払った保険料は30円でした。

当時の1000円を現在の貨幣価値に換算すると約380万円となります。

生命保険の成り立ち

“生命保険”とは人間の生存または死亡による損失を保障することを目的とする保険、すなわち保険契約により被保険者の生存または死亡を保険事故として保険者が受取人に保険金を支払うことを約束するもので、生保(せいほ)と略称されることもあります。

生存を保険事故とするものが年金保険であり、死亡を保険事故とするものが死亡保険となります。

生命保険契約という概念はは1400年代のイタリアで登場し、当初は奴隷運搬の海上保険の形態として登場しました。

17世紀イギリスではセントポール寺院の牧師たちが葬式代をまかなうために、お互いにいくらかずつ出し合って積み立てていった(香典前払保険・香典前払組合)といわれていますが、これは年齢に関係なく同じ金額を払い込んでいたため、高齢者は比較的少ない保険料で保険金を受取ることになり、若い世代の不興を買い10年ほどで無くなったようです。

この問題を解決するきっかけを作ったのが、“ハレー彗星”で有名な天文学者であり数学者でもあったエドモンド・ハリーであり、 彼は実際に調査して人間の寿命を統計化した生命表を作成、それは年齢ごとに生存している人死亡した人の割合をまとめた統計データになります。

母集団が大きな統計は“大数の法則”により年齢ごとの亡くなる人数(死亡率)を導くのに便利で、そして生命表ができることによって各年齢ごとに保険料を払う者の人数と亡くなる(保険金を受け取る)者の人数が推定できるようになりました。

そこで死亡率に応じて保険料に差をつけることが考案され、18世紀のイギリスで死亡率に基づいた保険料を集める制度が完成し、1762年にはロンドンで世界初の生命保険会社である“エクイタブル生命”が設立されます。

ただし、この生命表に基づく計算は戦争や地震等の大規模災害による大量死にまで対応できるものではないため、現在でも生命保険の多くは戦争・災害に関する免責事項を設けています。

当初は生命保険は資産家や牧師など特殊な人々のものでしたが、19世紀半ばになると産業革命により都市生活者や給与所得者が急増すると一家の収入の稼ぎ手が亡くなった場合の生活保障や、葬儀費用などが問題となりました。

近代の生命保険では統計に基づいて年齢ごとの死亡率に応じた保険料を設定することで、保険会社が受け取る保険料と保険会社によって支払われる保険金が均衡する仕組みになっており、契約者が支払う保険料は年齢ごとの死亡率に応じた保険料の合計を期間全体で平準化した金額となるのが一般的のようです。

そこでロンドンの労働者達が生命保険会社・プルーデンシャル ローン&保険組合(現イギリス・プルーデンシャル)に少額な保険料で葬儀費用を賄える保険を作って欲しいと申し入れ、プルーデンシャルはこれを受け入れて少額・保険料建・週払の労働者向け保険を開発しました。

これによって生命保険は一挙に庶民の間に広まり、一時期では英国の全世帯の1/3がプルーデンシャルと契約していたとも言われているほどです。

日本では1868(慶応3)年に福澤諭吉が著書“西洋旅案内”の中で欧米の文化の一つとして近代保険制度(損害保険、生命保険)を紹介したことが発端となり、1880年に岩倉使節団の随員だった若山儀一らによる日東保生会社(日本初の生命保険会社)開業されましたが、倒産してしまいます。

その後1881(明治14)年7月、福沢諭吉門下の阿部泰蔵によって現存最古の保険会社・有限明治生命保険会社が開業され、1888年には国内で2番目の保険会社として帝国生命(現朝日生命)、3番目に1889年には日本生命が誕生しましたが、当初は“人の生死によって金儲けをするのか”という誤解に基づく批判も多く、その普及には時間がかかったようです。

現代日本においては、全世帯のうちおよそ90%は何等かの生命保険に加入しているとされ、日本は世界的な生命保険大国となります。

ですが、保険契約は自発的に加入したというものはまれで(そもそも自発的に加入するケースは保険会社にとってはモラルハザードの点から問題があるので逆に警戒することがあるようです)、勤務先で外交員から勧誘されるままに入ったり、親類・友人・知人などの紹介や勧誘で加入したというケースが多いため、契約書を読まない、読んでも内容を理解していない、といった事例があとを絶たないのも事実です。

生命保険文化センターの調査によると、日本人の生命保険平均死亡保険金額の平均は普通死亡保険金額が1人あたり約2400万円以上、また一世帯あたり平均3.8種類の生命保険に加入し、負担する年間保険料は平均38.5万円、一生涯に払い込む保険料の総額は平均2400万円以上にも及びます。

即ち、生命保険は住宅の次に高額な商品であり、長期の契約になることから、契約を決める際にはその必要性・かかるコストを慎重に検討し、契約者個人の人生設計・ライフスタイルも十分勘案する必要があるので念頭に置いておきましょう。

 


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