ふろしきの日

イメージ_風呂敷

「ふろしきの日」は「つ(2)つ(2)み(3)」(包み)の語呂合せで平成12年に京都ふろしき会・京都ふろしき振興会・東京ふろしき振興会で組織する日本風呂敷連合会が制定しました。

日本の伝統的な日用品であり繰り返し使用可能なエコ製品として風呂敷をPRすることをその目的としているようです。

泥棒が唐草模様の風呂敷を使う理由

“風呂敷”とは物を包み持ち運んだり収納したりするための正方形に近い形の布で、古くは衣包(ころもつつみ)、平包(ひらつつみ)と呼ばれていたようです。

その起源は定かではありませんが、正倉院宝物の中に舞楽の衣装包みとして用いられたものが残っており、この専用包みには現在の風呂敷にはない中身を固定するための紐が取り付けられていたとされています。

平安時代には“平包(平裹)(ひらつつみ、ひらづつみ)”と呼ばれていて庶民が衣類を包んで頭にのせて運んでいる様子が描かれています。

また、この時代では入浴することは心身を清めるための厳粛な行事であったため、裸ではなく白衣で入るのが作法でした。

入浴前後に衣類を包んでいた布を広げて更衣するので、この布を“風呂敷”と呼んだのが呼称の起源という説があり、濡れた風呂衣を風呂敷に包んで持ち帰ることなどによって敷布としてだけでなく包んで運ぶという用途が加わっていったと考えられています。

その後、室町時代では足利義満が大湯殿を建てた際に招かれた大名などが入浴する際に他者の衣服と間違えないよう家紋を付けた布に脱いだ衣服を包み、湯上りに際してこの布の上で装束を調えたという記録があり、これが“風呂敷”としての最古の記録とされています。

このような入浴の際の習慣は江戸時代にも継承され、江戸時代初頭には湯を張って入浴に供する商売、いわゆる“銭湯”が誕生し、上方の町などで銭湯が盛んになると庶民も衣類や入浴用具を“平裹(平包)”に包み持って銭湯に出かけるようになりました。

風呂に敷く布で包むことからそれまでの“平裹(平包)”に代わって“風呂敷包み”や“風呂敷”と広く呼ばれるようになります。

このようにして広まった風呂敷ですが、やがては“風呂で敷く布”というよりも“物を包む布”として行商人たちによって全国に広められていったのでした。

なお、泥棒のイメージとしてよく唐草模様の風呂敷が用いられることがありますがこれにもちゃんとした理由があります。

かつて風呂敷に用いられる文様にはそれぞれの家の家紋が用いられたり、花鳥風月等を題材とする日本独特の吉祥文様(縁起の良いとされる模様)が用いられることが多くありました。

唐草模様もその一つで、今でこそ泥棒が使う風呂敷の柄として定着してしまっていますが本来は犯罪と全く関係のない、縁起物の柄だったのです。

この唐草模様の風呂敷は明治から昭和に時代にかけて大量生産され、どの家庭にもよくあるものでした。

当時の泥棒の手口としては手ぶらで家屋に侵入し、まず盗んだ物を持ち運ぶための大判の風呂敷を探すところから始まります。

当然大量生産されていた唐草模様の風呂敷が利用されることが多くなり、こうして“泥棒=唐草模様の風呂敷”というイメージが定着してしまったのです。

近代では風呂敷はなかなか見ることは少なくなってきました。

ですが西洋渡来の鞄などに比べ、包むものの大小・形状にとらわれることなく変幻自在に包むことができること、包むものがないときには畳んでかなり小さくすることができて軽量であることなど、その融通性・自在性が環境問題への配慮などから見直されているのも事実です。

環境省によると現在日本で年間に使われるレジ袋は約300億枚で、原油換算すると約60万キロリットルに達し、ごみとして出される量は約60万トンにもなるといいます。

このため、買物の際にレジ袋の利用を止めて風呂敷へと転換することで二酸化炭素とごみの削減効果に個人レベルで日常的に貢献でき、ひいては地球温暖化防止に貢献することに繋がるとしています。

この風呂敷の再評価の流れから、特殊な織りや染めの製法を使ったものなどが登場し、デザインコンペなども開催されていますので、新しいエコバッグとして利用してみてはいかがでしょうか。

 


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