珊瑚の日
「珊瑚の日」は「さん(3)ご(5)」の語呂合せと、珊瑚が3月の誕生石であることから、1996(平成8)年に世界自然保護基金(WWF)が制定しました。
その目的は不明ですが、世界自然保護基金は「珊瑚の日」を制定した1996年から石垣島の白保に珊瑚礁保護研究センターを建設する運動を開始しており、珊瑚の保護と研究をより活発するためとされています。
珊瑚は動物である
“珊瑚(サンゴ)”とは刺胞動物門に属する動物のうち固い骨格を発達させるもので、植物ではありません。
珊瑚は卵から生まれて数日間は海の中を泳いで暮らしますが、この間に自身が成長するための場所を探します。
その場所が決まったら着底し、まず海中にあるカルシウムを取り込むことによって骨となる部分を形成、その後は自身のクローンを増やしどんどん成長していくのです。
珊瑚は動物ですので食事や排泄もし、産卵することによってその個体数を増やします。
中には体内に褐虫藻という藻類を共生させているものがあり、これらは造礁性サンゴと呼ばれ褐虫藻から光合成産物を供給されるため比較的成長が早く、いわゆる珊瑚礁を形成します。
造礁性サンゴは光合成により多くのエネルギーを得ているため、光量の多い浅海域に生息していることが多いです。
折れて海岸に漂着したり、海底から採取されたりした一部の珊瑚は“宝石珊瑚”と呼ばれ見た目の美しさにより、古代から世界各地で宝飾品として使用・取引されてきました。
ですが珊瑚は生息海域が限られ成長が遅いにも関わらず、現代においてもその宝飾品としての需要は世界的に高く、乱獲や密漁が問題となっています。
中でも赤い色の“ベニサンゴ”は厄除けの象徴として現在でも珍重されています。
一方で珊瑚の色が抜けることがあり、これは持ち主の健康が脅かされている予兆だとも言われてきました。
1584年にイワン雷帝に謁見したサー・ジェローム・ホーシーは、皇帝が美しい珊瑚をホーシーの手に取らせて間違いなく美しい色合いをしていると確認させた後、自分の手に乗せた珊瑚が“棺衣の色”に白く褪せてしまい自分の死を予知している、という内容の記録を残しています。
実際にホーシーが謁見して間もない1584年の3月18日に心労が祟ったのか発作を起こして死亡しています。
宝石として以外にも、珊瑚を大量に使用するところがあり、それは“水族館”になります。
海中の雰囲気を演出するために使用されるのですが水族館にある珊瑚礁は基本的に全て作り物です。
環境保護・生物種保護の観点などから造礁珊瑚の採取は禁止されており、また天然の珊瑚は非常に重く移動の手間となるので、水族館にあるのは精巧に作られた偽物ということになります。
沖縄県漁業調整規則では、沖縄海域における造礁珊瑚類の採捕を禁止していますが、残念ながら沖縄海域固有の珊瑚類が外国産などとして国内の観賞魚店などで販売されていた例がありました。
近年では趣味としてのアクアリウムも流行しています。
ですが拘りすぎて国内の造礁珊瑚を勝手に採取して持ち帰るなんてことは絶対に止めておきましょう。
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