世界一周の日
「世界一周の日」は1967(昭和42)年のこの日に日本航空の世界一周西回り路線が営業を開始したことが由来です。
それまでは日米航空協定により、日本の航空会社は世界一周路線を持てませんでした。
日本の世界一周路線はわずか5年で終了した
世界一周路線とは単一の航空会社により出発地となる空港から出発して地球を一周し(世界一周)、再び出発地に戻る定期路線のことを指します。
ですが現在では世界一周路線を持つ航空会社は存在しません。
旅客機による旅行が一般化した1960年代には、単一の航空会社による複数の寄港地に寄港する世界一周便がパンアメリカン航空、日本航空、英国海外航空、トランス・ワールド航空、カンタス航空などの大手航空会社各社により運航されていました。
ただし世界一周便といっても途中でシップチェンジがあり、必ずしも同一の旅客機で運行されるわけではありません。
日本航空でもそれは例外ではなく、西周り便と東周り便の2便を運航することにより実現されたもので、日本航空の記念すべき第一便である西周り便は1967(昭和42)年3月6日午後0時30分に羽田空港を出発し、3月7日に東周り便が出発することで実現したのです。
ですが航空機の性能向上による直行便化の進行とそれに伴う世界一周路線の必然性の低下や、航空会社同士の競争の激化とそれがもたらす収益悪化などにより衰退の兆候が出始めます。
日本航空の世界一周路線も大西洋路線が不振だったことに加え、1972年には連続航空事故を引き起こし国際路線用の機体を3機失ってしまい、運航可能な機材の確保が困難となったことなどから大西洋路線は運休、わずか5年で終了してしまいました。
2013年3月3日まではニュージーランド航空がオークランド – ロサンゼルス – ロンドン(ヒースロー)便および、オークランド – 香港 – ロンドン(ヒースロー)便を別の便としてではあるものの運航しており、事実上単一の航空会社による世界一周路線ということができましたが、2013年3月4日以降は香港 – ロンドン(ヒースロー)間が運休となったため、単一航空会社便の乗り換えによる世界一周は不可能となります。
ですが単一の航空会社による世界一周路線は無くなってしまいましたが、“ワンワールド”や“スターアライアンス”などのアライアンス(航空連合)が、加盟航空会社の路線を組み合わせた世界一周航空券を販売しており、これがかつての世界一周路線に代わるものとなっています。
シンガポール航空も同様の航空券を販売しているようです。
その形は微妙に変わりましたが世界一周路線は今もなお残っており、“世界一周”というワードにロマンを感じる人も少なくないと思います。
なおかつての世界一周便は空港での行先ボードで“Around the World”と表示されていました。
現在もそのように表示されるかは不明ですが、人生で一度はそのように表示された搭乗口に颯爽と乗り込んでいきたいものですね。
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