バウムクーヘンの日
「バウムクーヘンの日」は1919年のこの日に広島県で行われたドイツ展示会で、神戸にてドイツ菓子製菓会社を創業したドイツ人カール・ユーハイムが日本で初めてバウムクーヘンの製造販売を行ったことから、2010年に同社が制定しました。
元々カール・ユーハイムは中国で菓子店を経営していたのですが、第一次世界大戦時がきっかけとなって捕虜となり、広島にある収容所で過ごすことになります。
捕虜としての生活中にドイツ人捕虜による作品展示会の機会が訪れ、そこでユーハイムが出品したのがバウムクーヘンだったのです。
戦後は日本で店舗を開き、「ピラミッドケーキ」とい名称でバウムクーヘンを販売していました。
おいしいバウムクーヘンの見分け方
“バウムクーヘン”とは中心にドーナツ状の穴があり断面に樹木の年輪のような同心円状の模様が浮き出たドイツのケーキです。
年輪のような形状から日本では目出度い贈答品のひとつとして慶事の贈り物として好まれ、結婚式や祝い事の引き出物として使われることが多くあります。
日本人にとっては大正・昭和初期から知られドイツを象徴する菓子のひとつと認識されていますが、実際のドイツでは珍しい種類の菓子であり実は日本ほど一般的ではありません。
菓子職人のシンボルとして意匠化されるなどドイツ菓子として認知はされつつも、伝統的な作成方法が非常に特殊で専門装置や技能を要するため、一般的な菓子店では扱っていないことが多く、入手しようと思えば専門店を探す必要が出てきます。
普通のオーブンでは作ることができずバウムクーヘン専用のオーブンが存在し、専用オーブンは生地を巻きつけるための芯と、芯を自動的に、あるいはハンドルを使用して、手動で回転させる装置が上部にあり、下部に生地を焼き上げるバーナーが設置されているものが一般的です。
庫内が密閉され壁面からの輻射熱を利用する一般のオーブンと異なり、開放型で直火で生地を焼き上げます。
芯になる棒の表面に生地を少量かけてバーナーで焼くと表面が焦げた厚さ1〜2mmの薄い層ができ、この焼けた層の上に生地をかけながら焼く事を繰り返し、薄い層を10〜20層程度つくります。
焼きあがった後に芯を抜いて輪切りにすると、バーナーで炙った際に出来たこげと内側の白い部分が層状に表れ、木の年輪のように見えるのです。
精魂詰める作業とオーブンの直火の熱を正面で胸に受けるため、ドイツでは“バウムクーヘン焼きは長生きしない”と言われています。
バウムクーヘンの精密につくられた年輪の形状は作成した職人の技術の高さを象徴するものといえるでしょう。
ですが美味しいバウムクーヘンの見分け方というものがあり、これによると年輪模様ががたがたで断面に穴があるものの方が美味しいと言われています。
というのも通常のバウムクーヘンには“乳化剤”を使用されることが多く、この乳化剤は水分と油分を馴染ませ、気泡を消してくれる働きをします。
この乳化剤によって綺麗な断面となるのですが素材本来の味を阻害してしまうため、一流の職人は乳化剤を使用せず、手作業で気泡を潰しながら丁寧に焼き上げていくのです。
当然カバーしきれなかった気泡が残ってしまうのですが、乳化剤を使わないほうが素材本来の味を十分に活かせ、美味しいということになります。
ドイツにおいても乳化剤を使用したものはバウムクーヘンを名乗ってはいけないとも言われているほどです。
ですのでもし年輪ががたがたになっているバウムクーヘンを見かけたら、それは乳化剤を使用していない“本物”である可能性が高いので探してみてはいかがでしょうか。
もちろん乳化剤を使用しなくても綺麗に焼き上がっているパターンも十分考えられますので、気にしすぎるのもよろしくないかもしれませんね。
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