パンダ発見の日
「パンダ発見の日」は1869年のこの日に中国・四川省の民家で伝道中のフランス人神父アルマン・ダヴィドが白と黒の奇妙な熊の毛皮を見せられ、後にパンダと呼ばれる動物の存在を知ったことが由来です。
パンダは中国にしか生息していないので、これが西洋でパンダが知られるきっかけとなりました。
ダヴィドはパンダのレプリカ標本をパリの自然歴史博物館に送り、その1年後の1870年に研究を進めたミレー・エドワードによって学名が付けられることとなりました。
パンダは竹笹類が好物ではない
“パンダ”はネコ目(食肉目)に属するジャイアントパンダ(クマ科)とレッサーパンダ(レッサーパンダ科)の2種に対する概念上の総称です。
別名は“熊猫(くまねこ)”といい、両種とも中華人民共和国に生息しているという共通点があります。
容姿が似ていないにも関わらず名称が共通しているのは、かつて両者が類縁関係にあると考えられていたことに由来しますが、その後の研究により現在では類縁関係は否定されており、両者を同じグループとする生物学的な根拠はありません。
“パンダ”といえば現在では“ジャイアントパンダ”のことを思い浮かべる方も多いと思いますが、本来は“レッサーパンダ”の方を指していました。
ジャイアントパンダは1869年に発見されたのですが、実はそれよりも34年も前の1835年にレッサーパンダは発見されていました。
当時ジャイアントパンダの生態を調査した結果、レッサーパンダに非常に似ているとされ、“大きなレッサーパンダ”ということで“ジャイアントパンダ”という名前が付けられたのです。
本来はパンダ=レッサーパンダだったのですが、いつしかパンダ=ジャイアントパンダの方が浸透してしまい、今日に至ります。
パンダといえば笹を食べるイメージがありますが、がそれは好物だからという理由ではありません。
かつてのパンダの祖先は肉食でしたが、古代中国は虎なども生息しており餌の競争が激しい世界でした。
そこで天敵や餌の競争を避けるために、山岳地帯の奥地を生息地とする個体が出始めます。
今から300万年ほど前に地球は氷河期となり餌が不足、山岳奥地のパンダは飢えを凌ぐために、1年中比較的容易に手に入る竹を仕方なく食べ始めました。
身近にあったものを食べるしかなく、こうしてパンダは肉食から竹食へと進化したのです。
そして200万年もの間、パンダは竹・笹を食べ続けてきたのですが、その消化器官は草食に適合していないという研究結果が2015年に発表されました。
祖先の持っていた雑食性の熊の腸内バクテリアを未だに保持していることも判明しています。
消化器官も他の草食動物に比べて短く、竹・笹を食べても大半が消化できずに排泄されてしまうため効率が悪いだけでなく、消化できなかった竹・笹が腸を傷つけてしまい、剥がれた粘膜がこぶし大の大きさとなって月に1回は嘔吐して体内から排出します。
これはパンダに取ってもかなり負担がかかっているようで、嘔吐後はぐったりとしてしまうようです。
では肉を食べさせれば良いのではと思うかもしれません。
ところがパンダの遺伝子を研究したところ、肉類の旨味を感じるタンパク質を作る遺伝子が420万年前にはすでにその働きを失っていたことが判明しました。
つまりパンダは肉類を美味しいと感じることができないため、本能的に竹・笹だけを食べるのが遺伝子レベルで定着してしまっているのです。
パンダは絶滅危惧種であり、もはや人の手助けなしには生きていけないのかもしれません。
いつかせめて竹笹類だけでも美味しく食べられるよう進化してほしいものですね。
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